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2016-10-25 00:00
(連載2)思わぬドイツ銀行救世主の登場
倉西 雅子
政治学者
そしてもう一つ、思わぬ救世主が出現するとしますと、それはEUです。ギリシャ危機に代表されるソブリン危機を経験したEUは、再発防止のために総額7,000億ユーロの基金を擁するESM(European Stability Mechanism)と呼ばれる救済メカニズムを設立しました(2012年10日8日から運営開始)。主たる救済の対象は財政危機に陥っている加盟国政府ではあるものの、金融危機の連鎖性を考慮し、経営危機にある民間金融機関をも救済対象に含める方針を示しています。
現在ギリシャ政府はESMからの救済融資を受けていますが、ギリシャ危機に際して救済に最も難色を示したドイツの銀行もまたESMによって救済され、そしてそれが自らをも救うことを意味するとなりますと、何とアイロニーに満ちた運命なのでしょうか。
実際にドイツ銀が救世主を必要とするほど深刻な状態にあるのかは分からず、また事の重大に気が付いた、もしくは世論に押されたドイツ政府が自ら救済に乗り出すかもしれません。
しかしながら、上述した思わぬ救世主登場の可能性は、世の中は単純ではないことを示しております。ドイツと言えば戦前にあってナチス政権下に国家ナショナリズムを経験した国ですが、今般の‘政府抜き’のナショナリズムであれ、EUの地域主義であれ、ドイツが新たな局面を迎えていることを示唆する注目すべき現象ではないかと思うのです。(おわり)
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