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2016-10-22 00:00
(連載2)人口のひょうたん型現象の危機にある中国
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
2015年から一人っ子政策を修正し、二人っ子政策に転換している。しかし少子になれた社会ではすぐにベビーブームとなるわけではない。徐々に増えていくことになる。しかし、これはひょうたん型人口構成という厳しい状況を引き起こす可能性がある。第一次ベビーブーム世代が高齢化し、第二次ベビーブーム世代がやがて引退世代になるとき、子ども世代が増えるということになる。つまり10年後くらいには大きな高齢者層とある程度の子ども層に挟まれた薄い労働者層が存在するひょうたん型人口構成が出来上がるのだ。これから20~30年の間、中国は最も辛い時期になる可能性がある。
また都市部と農村部で出生率が異なるだろう。高額になる教育費などから出産を控える都市部と「子どもは宝」の文化の残る農村部では子どもの数も変わる。貧富の差がさらに拡大する可能性がある。
また長引いた一人っ子政策で、特に農村部では男女比が大きく崩れている。女の子が生まれた場合には殺したり、病気への十分な対応をしないなどして、一人であるなら男の子を持つようにしたのだ。男性の比率が高く、彼らが今から結婚適齢期を迎える。結婚できない男性が大量に生まれるといわれる。社会学的には結婚すると家族を守る意志が働き保守的になる傾向がある。独り身の男性は社会運動に関わる傾向があるといわれる。
長かった一人っ子政策、そしてこれからの二人っ子政策によりこれからの中国は社会的不安が生まれそうだ。「(1)ひょうたん型人口構成による経済の低迷の可能性」、「(2)都市部と農村部の貧富の拡大」、「(3)結婚できない男性の問題と、中国は人口ボーナスが消失するだけでなく、人口構成の歪さによる社会不安が引き起こる可能性」があるのだ。中国の人口は巨大だ。ちょっとした歪部分がヨーロッパの中堅国の全人口にあたる。中国の人口構成の変化には注目しておく必要がある。(おわり)
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