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2016-10-19 00:00
(連載2)アベノミクスと日本のあり方について
真田 幸光
大学教員
それでも、この成長戦略に取り立てて効果的な策を見出せない中、政府は「従来型の財政出動を伴う公共投資」に一つの活路を見出そうとしており、その一つの典型は東京オリンピックであり、また築地市場の豊洲への移転、或いはリニアモーターカーといった大型公共投資であり、更に最近では国土強靭化計画の見直しと再実行といったものも検討されています。
しかしながら昨今の東京都の状況を見ていると、「ここには既得権益層の利権をにおわす動きが見られ、一般国民から見るとこうした公共投資は一部には利益を齎すかもしれないが、広く日本経済全体に富を再分配させるようなものとはならない」との見方を広げ、こうした政策効果にも大きな期待を持たぬ状態となっていると思います。即ち、現状から見た結論から言えば「アベノミクスの金融政策、財政政策はこれまでは一定の効果を上げたと評価したとしても、やはりこれからは成長戦略が主役とならなければならない。政府はその点に集中すべきであり、金融・財政政策は成長戦略に火がつくまで現状維持をしていくことが今後の役割であろう」と考えます。
そして、成長戦略の柱は「政府が出来ることの限界があり、本来は民間企業が独自に成長戦略を展開していくことが原則である」ということを勘案すれば、「民間企業が活動しやすくなるような規制緩和の実施であり、民間企業に新たなビジネスチャンスを与えることも踏まえた必要性の高い新たな規制の実施であり、販路拡大に対する政府支援などである」と私は考えます。そして、例えば私が顧問に就任しているモンゴル商工会議所では、日本とのEPA締結の中、質の高いモンゴルのカシミアを質の高い製品を製造できる日本の中小企業に委託加工をお願いしてきたり、日本から性能の良い設備機械を導入する動きを示し、これが日本の中小企業の需要拡大、売上高拡大に繋がり、ひいては地域経済の刺激にもなるといった小さな事例も出てきています。
即ち、日本の産業界を支える多くの質の高い中堅・中小企業の販路拡大に繋がるような政策支援をしていくことが目立たぬとも、少しずつ、しかし着実に効果を上げていく成長戦略であり、こうして売上高が拡大できていくことに目処が立てば民間企業は自ずと人を採用し、また賃上げもする、こうした新のデフレからの脱却が成り立つと思うのです。アベノミクスが本物となるのか否か、今は正に正念場であると思います。(おわり)
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