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2016-10-05 00:00
(連載2)崩れゆく中韓関係
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
中国と韓国の関係においては、漁業権問題もクローズアップされてきている。韓国の領海では、韓国の海洋警察と違法操業を繰り返す中国漁民との攻防が激化している。中国の近海では工業化が進み、原油流出などの事故もあり海洋汚染を深刻化している。豊かな漁場を求めて、韓国や日本の領海にも入ってきている。中国では富裕層を中心に海産物の需要が高まっている。違法行為も含めてどんどんと獲っていくので、漁獲高が大きく下がっているものもある。
9月29日に衝撃的なニュースが入ってきた。中央日報日本語版(2016年9月29日版)によると「韓国側の排他的経済水域(EEZ)で違法操業をしていた中国漁船で火災が発生し、中国人船員3人が死亡した。取り締まりを避けて逃げる中国漁船に乗り込んだ韓国海警が投げた閃光爆音弾が爆発し、漁船から災と煙が上がった」という。海警が投げつけた閃光爆音弾が火災の原因とみられているが、まだ詳細は調査中だ。閃光弾とはスタングレネードやフラッシュバンと呼ばれる特殊な手榴弾である。殺傷力を抑えてあり、閃光や爆音で行動を一時的に不能にさせる。閃光や爆音は爆発によるもので、爆発の近くでは可燃性液体や高密度のガソリンの蒸気に引火することがあるとされる。今後の調査によるが閃光弾による火災の可能性は高い。今回の事故は、中韓関係をさらに冷たくさせる可能性がある。
韓国の漁船が日本の排他的経済水域で違法操業をして、荒っぽい漁法などで問題となってきた。韓国の漁船よりもさらに荒っぽいとされるのが中国の漁船だ。今、中国漁船と韓国の漁民との激しい戦いがある。ある意味、外交問題よりもこちらの方が感情的には熱くなる。漁業権を巡っての争いは、中国と韓国の国民感情を相当に悪化させている。
中国と韓国が共同して日本との「歴史観」の攻撃をしてきたが、中国と韓国の間の歴史にも大きな問題があるようには思える。そもそも第二次世界大戦後に起こった朝鮮戦争では、朝鮮半島を舞台にして中国と韓国は戦い、多くの犠牲者を出している。それらを棚上げにして、日本の「慰安婦問題」を批判している。それ以前の長い中国と朝鮮半島の歴史を紐解けば、簡単には解決できない問題がある。そうした問題を棚上げにするために、共同で日本批判をすることが必要なのかもしれない。ただ日本批判だけでは収まらない状況だ。中国と韓国はどちらも非常にプライドが高い国民とされる。感情的な亀裂が入れば解決し難い問題と発展する可能性はある。様々な問題が吹き出つつある。少なくとも中韓関係の蜜月時代は終わりそうだ。(おわり)
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