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2016-09-28 00:00
イラク戦争基準なら対北軍事オプションもあり得る
倉西 雅子
政治学者
北朝鮮による5回目の核実験を受けて、アメリカ大統領選挙でも、俄かに対北政策が争点に浮上してきたようです。目下、共和党のトランプ候補は、民主党政権の“外交上の失敗”との批判に終始する一方で、クリントン候補は、北朝鮮の“後ろ盾”である中国の説得に努める方針を示しています。
中国の国柄と北朝鮮に対する過去の対応から判断しますと、制裁強化のために、中国が説得される可能性はかなり低いのですが(あるいは、北朝鮮の体制崩壊に向けた合意取り付けのための説得?)、北朝鮮問題の核心が、大量破壊兵器である核・ミサイル開発にあることを思い起こしますと、対北政策のオプションには、本来、当然に軍事制裁が含まれるはずです。
何故ならば、イラク戦争では、独裁体制であったフセイン政権の元での大量破壊兵器、すなわち、核兵器開発の疑惑が、開戦の直接的な根拠となったからです。イラクの場合には、大量破壊兵器の保有禁止やIAEAの査察受け入れ義務は、湾岸戦争時の国連決議660号等に拠るものですが、北朝鮮の場合、正式にNPTからの脱退が認められていませんので、NPT上の違法行為として咎めることができます。また、イラク戦争では、フセイン政権による少数民族のクルド人に対する弾圧も開戦の根拠とされましたが、カルト的独裁体制を敷く北朝鮮では、弾圧の矛先は自国民に向けられています。弾圧的独裁体制の基準からしても、北朝鮮には、軍事制裁を受ける理由があるのです。
トランプ候補は、自らの対北政策については明かとしてはいませんが、どちらの候補が大統領に当選しても、アメリカ大統領は、北朝鮮問題について重大な決断を下さざるを得なくなるのではないでしょうか。仮に、次期大統領が軍事的オプションを選択するとしますと、それは、第二次朝鮮戦争であれ、別個の軍事制裁であれ、それは、北朝鮮がアメリカ本土を射程距離に収めた核ミサイルの開発に成功する以前の段階となるのではないかと予測するのです。
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