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2016-08-31 00:00
(連載1)核兵器の先制不使用宣言について
緒方林太郎
衆議院議員(民進党)
オバマ大統領が「核兵器先制不使用」を検討しているものの、ケリー国務長官や同盟国からの反対に直面しているという記事がありました。私も「それを宣言しちゃいかんだろう」と思います。元々、核兵器の使用については「消極的安全保証(negative security assurance:NSA)」というものがあります。ここから議論を始めないと、今の議論はさっぱり意味が分かりません。ちょっと小難しいですが、お付き合いください。
NSAとは極めてザックリ言うと「核兵器を持たない国には核兵器では攻撃しないから安心してね」という感じなのですが、ちょっとした表現の違いでバラエティがかなり広がります。有名なのが冷戦後、ウクライナが独立する時に米英露が提供したNSAです。ウクライナに核兵器を放棄させるために、以下を約束したという事です。
The United States of America, the Russian Federation, and the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland, reaffirm, in the case of the Ukraine, their commitment not to use nuclear weapons against any non-nuclear-weapon State Party to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons, except in the case of an attack on themselves, their territories or dependent territories, their armed forces, or their allies, by such a state in association or alliance with a nuclear weapon state.
まず、最初に「ウクライナが核不拡散条約上の非核兵器国である限り、米英露はウクライナには核兵器を使いませんよ」と言っています。しかし、ポイントは「except」以降でして、ウクライナが核兵器国と「association」や「alliance」を持った上で、米英露やその同盟国に攻撃をしてくるような場合には、核兵器を使用する可能性を留保しています。つまり、ウクライナが核不拡散条約に加わっており、かつ核兵器を持っていなくても、ウクライナが核兵器国と「association」や「alliance」を持った上で米英露や同盟国に攻撃を仕掛けてくる場合は、核兵器不使用を約束していません。結果として、米英露や同盟国が受ける攻撃が(核兵器でなく)通常兵器、生物兵器、化学兵器によるものであっても、攻撃する国が核兵器国と「alliance」や「association」を持つ限りは、その国に対して核兵器を使う抑止の可能性を残しています。(つづく)
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