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2016-08-29 00:00
スマホ業界に見られる中韓企業の駆け引きについて
真田 幸光
大学教員
ビジネスの世界では、「規模の経済性」を追いかけ、効率的にビジネス展開を進めることを普通は良いとします。そしてまた、この「国際化」が進展している世の中にあって、規模の経済性を追う場合、「グローバル・マーケット・シェア争いに勝つ。」と言うことが、大変重要なポイントとなります。そうした視点から見ると、「韓国企業や台湾企業、そして最近では中国本土企業も、グローバル・マーケット・シェアの確保、拡大には余念がなく、成功事例も出てきている。」と言えましょう。
さて、こうした中、香港の有力英字紙であるサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)を見ておりましたら、スマートフォン業界で世界第3位と言われる中国本土の華為技術(ファーウェイ)が同第1位の韓国・三星電子の元役員を自社に迎え入れたと報じていました。そして、こうした動きを受けて、「三星電子を追い上げるため、ファーエイは三星電子の人材獲得に動いた。」と韓国国内では見ているようであります。尚、こうした人材の引き抜き方は韓国企業の得意技でもあると言うことを認識しておきたいと思います。
そして、具体的には、このSCMPの記事によると、ファーウェイは、スマホを担当する三星電子の無線事業部で最近まで中華圏担当専務を務めていた香港出身の何鴻略氏を中華圏担当消費者事業部門の副社長として迎えたようであります。同氏は25年の長きにわたりフィンランドのノキアや三星電子で働き、流通販売、地域管理、人材育成の分野で能力を発揮した人物であり、各社を点々とする“無国籍人”的動きをしている人物とされています。また、ファーウェイは同氏について、「消費者事業部門の事業開発に持続的に貢献するものと確信している。」ともコメントしています。更に、ファーウェイが三星電子の元役員を迎え入れたのは、今回が初めてではなく、2012年にも三星電子・無線事業部の元中国本土担当最高マーケティング責任者を消費者事業部門のCMOとして迎えています。
こうしたこともあって、「ファーウェイは三星電子に追いつこうと攻勢を強めている。」と見られているようであり、また、同社の消費者事業部門トップは、「向こう3年以内にスマホ2位のアップルに追いつき、2021年には三星電子を超えたい。」とも公言しています。尚、ファーウェイは本年5月と7月、自社の通信技術などの特許を三星電子が侵害しているとして、米国と中国本土の裁判所に提訴、一方、三星電子も本年7月、ファーウェイがモバイル通信システム関連の特許を侵害しているとして、中国本土の裁判所に提訴しています。今後の展開をフォローしたいと思います。
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