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2016-08-19 00:00
(連載1)連合王国とスコットランド
緒方林太郎
衆議院議員(民進党)
スコットランドがEUに残ると言っています。まず、そのために、スコットランドは独立しなくてはならないかどうかという点からスタートしてみます。仮に独立せずに、脱退した(スコットランドを除く)連合王国と(EUに残る)スコットランドで連合国家を作る事を考えてみましょう。行政、経済の実務的には以下のようになります。
(1)スコットランドにはEU指令が適用される、離脱した連合王国にはされない。(2)貿易の輸出についてはスコットランドから輸出すればEUで無税、離脱した連合王国から輸出すればEUが対外的に課している関税(輸入も同様)。(3)スコットランドは非EU諸国との貿易でEU統一関税を適用、離脱した連合王国は独自の関税。
こんな連合国家はあり得ないのではないかと思います。そもそも、国の基本的な部分である法規や徴税システムが違うのに、同じ連合国家の中に居ますというのは私の常識観では想像できません。また、条約上見ていても、EUのリスボン協定は、加盟する主体を「Member State」としています。ということで、現在のスコットランドが“state”かという議論になります。スコットランドが“nation”ではある事を否定することは出来ません。例えば、ラグビーの選手権で「Six Nations」と呼ばれる大会があります。私がフランスに住んでいた時、最初「6か国?何処だ?」と思いましたが、イングランド、フランス、イタリア、アイルランド、スコットランド、ウェールズです。
ただ、日本語では一律に「国」と訳される“state”、“country”、“nation”ですが、含意は全然違います。非常に雑に言うと、“state”は政治機構、“nation”は帰属意識の対象を指します。現時点で、“nation”であるスコットランドを“state”とは呼べないでしょう。(つづく)
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