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2016-07-28 00:00
(連載2)南シナ海問題における中国本土の対応
真田 幸光
大学教員
しかし、「力」を背景とした中国本土のこうした言動はこのままでは絶対に止まらないと私は見ています。原則論に立てば、否、義を以ってすれば、「中国本土は、法治社会の中で、法の下での判断を一旦は受け入れるという謙虚な姿勢を取らなくてはならないということを知らなくてはならない。もし、その判断に不満があれば、法治社会の中で、法に基づいて、法を変え、必要があれば、法体系そのものを変える努力を持たなくてはならないと言うことを知るべきである」と私は考えています。
従って、こうした中国本土を国際社会は受け入れてはならないのであります。しかし現実はどうか、心配になります。中国本土の周辺諸国である東南アジアや朝鮮半島はもとより、最近の様子を見ていると、英国やドイツ、フランスを中心とする欧州諸国も、経済関係の発展を意識しつつ、「中国本土のわがままを聞き入れてしまう」という行為に出るのではないかと、私は不安そして懸念を感じているのであります。現実は、実利を追う、その結果として中国本土の「言った者勝ち、やった者勝ち」的な自国勝手主義がまかり通ってしまうのではないかという不安と懸念です。
従って、そうした不安や懸念があるのであれば、先ずは、国際社会全体が中国本土に対してどう出るのかを見極めると共に、日本政府は、必要に応じて欧州を中心とする国際社会の主要国に対して、「法治を守ろうとしない国に大義はない。それがまかり通れば、現行の世界秩序が崩壊する可能性を拡大させる。それで良いのか?」との主旨の論理を以って、中国本土の行為をきっぱりと否定して欲しいと水面下で粛々と国際ロビー活動を行い、そうした成果を見極めつつ、中国本土に対してもものを申すトーンを強めていくことが肝要ではないかと思います。
ここで、下手に日本が国際司法裁判を背景にして、中国本土に対して強く主張しても国際社会が呼応してくれない限り、その効果は薄い、否、国際社会の反応によっては、むしろ日本の方が中国本土によって「孤立化させられる」というリスクすら私は感じます。日本は今、「大義と法の支配」を国際社会に対して強く訴えていくべきです。(おわり)
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