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2016-07-05 00:00
(連載1)金融資本主義によってイギリスは病み、EU離脱という茨の道を選択した
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
イギリスが世界の工場と呼ばれていたことは今では歴史教科書をみないとでてこない。19世紀に産業革命を行い、石炭をエネルギーとして製造業の中心となった。しかし、20世紀に入るとアメリカがその称号を得ることになる。そして20世紀の後半になると日本も世界の工場と言われるようになった。そして今は、中国が世界の工場と称せられている。イギリスの産業はどうなったのだろうか。めぼしい産業がなくなっている。自動車産業は縮小を続け、今では外資による工場がある程度だ。軍需産業にはみるものがあるが、その他の産業はとうていイギリスの豊かな生活を賄うようなものはなくなっている。しかし、ロンドンは華やかであるし、貧富の差の広がりはわかるものの、人々はイギリスの豊かな環境でゆったりと暮らしているイメージがある。私もイギリスは最も好きな国といっていいほど好きだ。ではどうしてイギリスが、イギリスでありえるのか。
イギリスは金融資本主義の波にうまく乗ったのである。パナマ文書で話題になったタックスヘイブンとも関係する。イギリスはかつては大英帝国を作り上げた。その時の支配地だった地域をタックスヘイブンとして活用することに成功したのである。英国領としてバミューダ諸島、ヴァージン諸島、ケイマン諸島、ジブラルタルなどがある。またイギリス王室属領として、ガーンジー、マン島、ジャージーなどがある。そこに世界から巨額の資金が入り込んできた。またイギリスは150年もの間、香港を植民地支配をしており、中国に返還された今でも、特別な関係を持っている。香港も税金の安い地域であり、イギリスは戦略的に香港を活用してきた。世界の有数の金融機関であるHSBCは中国とイギリスとの特別な関係で発展してきたといえる。
中国が世界の工場と言われだしてからまだそれほど経っているわけではない。それが世界を支配するかのような資金力を持ったのは、イギリスと一緒に金融資本主義で世界の金を集めたからだ。イギリスの一部の富裕層と中国の一部の富裕層に大きな利益を与えてきた。
イギリスの主力産業は金融業といってもいいだろう。製造資本主義よりも金融資本主義の方が短期間にはるかに大きなお金を獲得することにつながる。考えられないような億万長者がアメリカ、ヨーロッパ、中国で誕生したのはこの仕組みによるものだ。ちなみに、日本にもその金融資本主義の波はきた。村上ファンドやホリエモンなどが注目を浴びたのは、金融資本主義の流れによるものだ。(つづく)
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