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2016-06-24 00:00
政治と金、海外ではどうなのか。
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
舛添都知事が猪瀬前都知事に続いてカネにまつわる問題で、辞職を余儀なくされた。甘利明前経済再生担当相の“口利きワイロ”疑惑もあった。日本では、政治とカネの問題がまたクローズアップされている。では海外ではどうなのか。海外では両極端に分かれる。海外の多くの国では、政治とカネとの問題は日本どころの騒ぎではない。何か、日本の状況がなかなかクリーンだと感じるくらいすごい国がある。他方、政治とカネの問題に日本どころではなく厳しい国もある。北欧諸国がそうだ。驚く程クリーンな政治で、政策主体の選挙となっている。これが福祉大国を生み出したと言える。
現在、アメリカでは大統領選挙の予備選が行われている。このアメリカ大統領選挙はとんでもない金食い虫だ。最終的な候補者になれば、最近は1,000億円前後の資金を選挙に投入しなければならない。考えられないような額だ。前回の大統領選をみてみよう。非営利の政治基金調査機関(Center for Responsive Politics)のデータによると、2011年1月から選挙日までの22ヶ月余に両選対が集めた選挙資金は、オバマ6億8,000万ドル、ロムニー4億5,000万ドルが使われたされる。今、円高になったので、1ドル105円程度。オバマ氏は700億円程度で、ロムニー氏は500億円弱というところだ。さらに「特別政治活動委員会」という組織ができている。これを使って各々の陣営は宣伝などの活動もする。この費用も加えるなら、オバマ氏は11億8,000万ドル、ロムニー氏は12億1,000万ドルを使ったことになる。今回の選挙では、クリントン氏もトランプ氏ももっと多額の資金を使いそうだ。アメリカ大統領選挙は金まみれの選挙なのだ。金を集める力も政治家の力と思っているのだろう。清く、貧しく、正しく選挙、という感覚はないようだ。さすがに資本主義の総本山だ。
中国も政治とカネでは凄まじい。現在、収賄事件などが次々と暴かれている。驚かされたのは、最高指導部のメンバーだった周永康・前党政治局常務委員の不正蓄財の額。彼は石油業界の実力者で、不正蓄財は1兆9,600億円であったと伝えられる。凄い。軍のナンバー2だった徐才厚・前中央軍事委員会副主席は170億円の収賄容疑がかけられた。舛添知事の「カネ」問題とは桁が違う。0がいくつ違うのだろう。
これと対照的なのが北欧。選挙は完全比例代表制だ。個人での選挙資金は非常に小さい。ほとんど用意していない人もいる。政治家になってももらえる報酬は公務員なみだ。贅沢ができるような政治家はほとんどいない。収賄はほんとに数万円単位でも政治家としてのポジションを失う。政策主体での選挙で、投票率は8~9割になる。これは素晴らしい。海外での政治とカネの関係は、本当に多種多様、ピンキリだ。私は北欧型の政治を目指すべきだと思っている。「セコイ」といわれた舛添知事。不正の額も中国の不正と比べたらセコイものだ。だからいいだろう、ともいえない。政治と選挙のあり方を総合的に作り直して、北欧のようにカネより政策の政治を展開できるといい。
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