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2016-06-20 00:00
台湾からのアプローチ
真田 幸光
大学教員
第二次世界大戦後の政治、軍事、外交などの国際問題を司る世界的な国際機関である国際連合には、「第二次世界大戦の主要戦勝国」の権利を守るが如く、「安全保障理事会の拒否権を持つ常任理事国」が存在しており、その国には、「米国、英国、フランス、ロシアと中国本土」の五つの国が君臨していることはご高承の通りであります。そして、所謂、東側諸国が崩壊する中、「ソビエト連邦は崩壊し、その旧ソ連が持っていた拒否権を持つ常任理事国の権利はロシアが引き継ぐこととなった。」のでありました。
一方、国連設立当初、常任理事国であった、「中華民国」は1949年の国共内戦の結果、台湾に退き、その後、1971年まで、事実上、「国連の拒否権を持つ常任理事国」として頑張っていましたが、国際社会の中での、「中華人民共和国」の存在感が増す中、「中華人民共和国に国連の拒否権を持つ常任理事国の立場を奪い取られる。」と言う事態となり、今や、「中華民国、或いは台湾」を国家として承認している国は、「バチカン」を含めて23カ国に止まり、その国々は、ほぼ、アフリカや中南米諸国に限定されています。そして、もちろん、日本も中華人民共和国を国家として認定し、「中華民国、或いは台湾」を国家としては認定していません。
しかしながら、実際には上手にダブル・スタンダードを使い、「中華民国或いは台湾とも一定のお付き合い」をしています。こうした中、一般的には、中華人民共和国との統合を敢えて志向せず、むしろ、中華人民共和国と中華民国或いは台湾は別の国家であると言う現実に近い状況をしっかりと受け止め、「中台統一」「一国二制度」を受け入れず、「台湾の独立を具現化していこう。」とする色彩の強い、「民主進歩党」が台湾の議会である立法院でも最大政党となり、「総統」も輩出したことから、日本には今般、新しい「大使=駐日代表」が着任しました。即ち、台湾の蔡英文新政権で新たに任命された謝長廷・駐日代表(大使)が、着任したのであります。
そして、マスコミ報道を見ると、羽田空港に到着後、記者団に対して、その新代表は、「台湾と日本は昔からいい関係を持っている。このような良い関係を基礎にして、日台の絆をもっと強く深くさせて戴きたい。」とコメントしましたが、日本もアジアに於けるBalance of Powerの視点から、「台湾の経済的な中華人民共和国依存度の高さからの脱却に向けて貢献し、日台経済の緊密化、就中、日本の中堅・中小企業と台湾の大企業のビジネス連携強化に日本政府が動き、その上で、deal by deal, case by caseで日台関係、台湾カードを切りながら、中華人民共和国と日本の関係の調整弁に使っていくべきであると私は考えています。そうした意味で、台湾の今回の国民党から民主進歩党への政権交代は日本にとっては一つの良い変化であるとも私は考えています。台湾との意向が合う中で日台関係緊密化が今後進展することを願ってやみません。
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