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2016-06-16 00:00
(連載2)選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられる意味について
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
権利と義務は表裏一体の関係といわれる。これから若者への「義務」が重くなる。大きな財政赤字がある中で、景気が急に上向くとは考えられない。高齢者比率がますます増える中では、医療費や社会保障費の負担は増加していく。つまり若者世代は大きな負担をしていかなければならない。なのに、投票権もないというのでは、おかしいという議論になる。投票率が低いのは投票に行かなかったものの責任としよう。選挙権年齢を下げたことによって、国は「堂々と」若者に負担増を押し付けることができるのだ。
投票に行けるということで、政治意識が少しは高まるのではないかともいわれる。これも効果の一つではある。しかし、これまでに選挙権のある人の政治意識も低い。投票に行けるから政治を考えるようになるだろう、というのは0ではないにしても、大した効果が期待できるわけではない。
つまり、選挙権年齢が18歳に引き下げられるのは、当然のことで、歓迎すべきことだ。だが、それで状況はほとんど変わらないということだ。若者を含めた国民が本当に政治に参画できる仕組みを作ることが最も大切なことだ。選挙、選挙というけれど、選挙で政治が変わると思っている人はあまりいない。私は選挙と選挙の間が最も重要だと思っている。その間に、どれだけ社会づくり、地域づくりなど政治に実際に参画できる仕組みを作るか、が決定的に大切なのだ。
日本では政治家が政治をするものだと思われている。政治家はろくな政治をしない。政治は国民がするものだ。私は北欧に6年間住んでいたが、普通の人が国や自治体の政策に直接的に関わり、NGOが政策を動かす力を持っていたことに驚かされた。だから国政選挙の投票率は8~9割だ。政治を政治家任せにしていない。来る参議院選挙。私は、最も重要なポイントは、国民とともに政治を作りたいという姿勢を持った政治家を選ぶことだ。国民が政治参画できる仕組みと政治文化を作ること。これが実行できれば、おのずと投票率は上がっていく。そうした新たな政治ができることを願っている。今の日本では、この単純なこともあまりに遠い夢となっている。(おわり)
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