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2016-06-15 00:00
(連載1)選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられる意味について
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
7月10日に投開票が予定されている参議院選挙から選挙権年齢は「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられる。選挙権年齢の引き下げは、1945年の終戦直後に「25歳以上」から現行の「20歳以上」となって以来、70年ぶりとなる。多くの他の国では18歳から投票権を持つというのが多い。191カ国の中で176ケの国や地域で18歳までに選挙権が認められている。OECDの中では、18歳までに国民に選挙権を与えていないのは日本と韓国だけであった。実に遅い対応と言える。
ちなみに16歳で選挙権を得れるのは、ブラジル、キューバ、ニカラグア、オーストラリア、東ティモール、キルギスである。17歳は、北朝鮮、インドネシア、スーダンである。逆に21歳以上にならないと選挙権を得れない国もある。21歳以上は、オマーン、クウェート、パキスタン、レバノン、サモア、トンガ、フィジー、シンガポール、マレーシア、モルディブ、ガボン、コートジボワールである。アラブ首長国連邦は選挙権は25歳からとなっている。イスラム諸国が目に付く。
いずれにしても日本で今度の選挙から選挙権年齢が18歳に引き下げられるのは歓迎すべきことだ。18歳、19歳の有権者数は現在、240万人とされる。この選挙権年齢の引き下げの意味について考えてみよう。
まず、若者の意見を政治に生かすことにプラスになることが挙げられる。少子化が進む中で、若者の数は減っていく。そして若者の投票率は非常に低くなった。60歳以上の高齢者の投票率と比較すると相当な差になる。選挙は勝たなければならない。そうなると、大票田を意識した政策アピールをするしかないのだ。高齢者の数が多く、投票率も高いとすると、その層をターゲットにした政策を展開するしかなくなる。候補者に聞くと、子育てが大切だ、教育が大切だ、若者が生き甲斐を感じる社会を作りたい、などを言う。しかし、政治家はそれを本気で取り組まないのだ。年金を大切にする、医療を充実する、高齢者福祉を充実する、などといった政策の方が票に結びつく。日本の教育や子育て環境が劣化してきたのには、若者の数の減少と投票率の低下が影響している。デパートで客層に応じた品揃えをするように、投票者層に応じた政策が展開されてきたといえる。240万人の若者の有権者数の増加は多少は、状況を緩和させる。ただ投票率は高くはならないだろうから、気休め程度の効果といえようか。(つづく)
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