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2007-03-01 00:00
連載投稿(2)中国のエネルギー政策展開の現状
池尾 愛子
早稲田大学教授
また戴氏は、この十数年、中国国内のエネルギー価格がかなり上昇し、原材料の価格も上昇していること、発展改革委員会は1月に省エネ目標を達成するために国内エネルギー価格を更に上昇させることがありうると示唆したことを紹介した。当日の配布資料では明らかではなかったが、発表と質疑応答では、国内エネルギー価格が国際水準より低めに抑えられていることが問題として認識され、価格是正の必要性がありうると認識された。ただ戴氏は、ヨーロッパ諸国と中国のあいだと同様に、日中間でも政府と民間が一緒に技術協力に取り組む協力スタイルを取ってほしいとの希望を開陳したが、中国と日本ではあまりに地理的に近く、対象企業もあまりに多数に上り、中国とヨーロッパ諸国とのあいだのようには行かず、民間主導のスタイルが続くように思われる。
全体を通して、兪珠峰氏(Yu Zhufeng、中国石炭科学研究院石炭工業クリーンコール技術・研究センター副所長)の発表「中国の石油代替エネルギーの方向性と政策課題」がフロアからの関心を最も引いていたように思われる。石油代替燃料の利用では、特定地域でエタノールの一般車両での利用が計画的に拡大されてきており、またメタノールについては今後5年間特定地域で実験的な利用を行なって研究をすすめ、その研究成果を基にして利用を拡大するかどうかを決定することになっているという。さらに、フロアからの技術的質問に応じて説明が補足されていた。他の発表もそれぞれ専門研究院の責任者たちによって行なわれ、中国でのクリーンコール技術開発の状況、エネルギー価格の決定方法、再生可能エネルギーの開発動向などを中心に技術的情報がよく盛り込まれていたと思う。(つづく)
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