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2016-06-08 00:00
(連載1)「軍属」の定義
緒方林太郎
衆議院議員(民進党)
沖縄での殺人、死体遺棄事案については、これは絶対に許せません。「綱紀粛正」、「再発防止」という言葉が空しく聞こえるくらいです。そういう中、先月24日、衆議院安全保障委員会が開かれました。私は同委員会のメンバーではありませんが、玉木筆頭理事からお話を頂き、30分質疑に立ちました。今回の容疑者は、米軍側から「軍属である」との連絡があり、日本もその前提で捜査、事情聴取としております。
「軍属」には地位協定の保護が掛かります。今回は基地外で逮捕されたことから、「軍属」に対する裁判権の問題は生じておりませんが、仮に基地内に逃げ込んでいたら、やはり引渡し、拘留、裁判権の是非について問題が生じたでしょうから、将来的な事を考えれば、この「軍属」の定義がどうなっているかはとても重要です。NATO地位協定の対比をする必要があるため英語で引用しますが、日米地位協定における「軍属」の定義は以下のようになっています。
【日米地位協定】b. “civilian component” means the civilian persons of United States nationality who are in the employ of, serving with, or accompanying the United States armed forces in Japan, but excludes persons who are ordinarily resident in Japan or who are mentioned in paragraph 1 of Article XIV. For the purposes of this Agreement only, dual nationals, Japanese and United States, who are brought to Japan by the United States shall be considered as United States nationals.
米軍との間で「雇用(employ)」、「勤務(serving with)」、「随伴(accompanying)」の関係にある人間が「軍属」に当たります。この中には、米軍の直接の指揮下にない方が含まれています。特に「勤務」、「随伴」の部分はかなり広い概念です。なお、「勤務」の英文である「serving with」は、日本語の語感よりも広いという事もあります。質疑では、今回の容疑者はこの3類型のどれかという質問については、現時点では「分からない」ということでした。軍属であることが明らかなのに、どういう事情で軍属なのかについて答弁出来ないというのは疑問が残ります。つまりは米軍が軍属だと言っている、ということだけが拠り所という事です。いずれにせよ、この軍属の定義は広過ぎると思います。よく考えれば、今回の容疑者は米軍に直接雇用されておらず、直接の指揮下にないわけですから、「綱紀粛正」、「再発防止」と言っても、限界があるはずです。(つづく)
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