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2016-06-07 00:00
米国・オバマ大統領の広島訪問に対する韓国人の一つの反応について
真田 幸光
大学教員
オバマ大統領が米国の大統領として、「被爆地・広島訪問」をしたことは、様々な意味でエポックメイキングなことでありました。「核廃絶」を、核保有国であり、世界のリーダー国家である米国の現役トップが唱えたことを、私は、本当に、「素晴らしいことである。」と認識しています。もちろん、現実は厳しいとは思いますが、しかし、それでもその「現実」がこれによって、一層、「核軍縮」に向かうことを祈るばかりであります。
しかし、ここで、お気付きの通り、オバマ大統領は、「日本に対して謝罪をする。」と言う行動には出ませんでした。米国のトップを預かるリーダーからすれば、謝罪をしなかったことは、「ごく自然な行動である。」とも言え、日本の被爆者の方々に、これに対するご不満があり、私としても、オバマ大統領が、「苦しみを掛けたね。」と言うくらいの一言を掛けてくれればよかったのにとは思いましたが、しかし、オバマ大統領の立場からすれば、やはり、「謝罪までは出来ない。」と言うことに私は理解をします。
ところで、オバマ大統領のこうした広島訪問を横目で見ながら、韓国人被爆者でつくる「韓国原爆被害者協会」の会員らは、ソウルの在韓米国大使館前で記者会見を開き、広島を訪問するオバマ米大統領に対して、「米国はこの71年間、私たちに対しては何の謝罪もしてこなかった。」と米国に対して、非難とも思えるコメントを示した上で、謝罪と賠償を求めました。韓国政府によると、広島・長崎で約7万人の韓国人が被爆したと推定されており、今年4月現在、韓国居住の韓国人被爆者は2,501人となっており、これらの人たちが動いたと言えるのであります。これら韓国人被爆者からすれば、「我々韓国人被爆者は、米国が戦った相手である日本の国民ではなく、むしろ、米国が戦った日本に苦しめられた被害者でもあり、更に、その被害者である我々は、米国が投下した原子力爆弾によって更なる苦しみを味わった被害者である。米国の戦争対峙国である日本に対して米国は謝る必要はない。しかし、韓国人被爆者に対しては謝罪と保障をすべきである。我々は明らかにダブル被害者である。」といったこととなるのでありましょう。
そしてまた、こうした言動を示す韓国人の心の内面には、「今回の広島訪問も含めて、最近では何となく、様々な意味で何となく日本に配慮しているように見えるオバマ大統領に対しての不満、或いは拗ねて見せているような心」があるような気がしてなりません。また、こうした韓国人の精神構造は韓国政府筋にも垣間見られると見ており、こうしたことを基として考えて行くと、「韓国は、米国に当てつけるように、再び、米国離れ、中国本土接近のような行動に出てくるかもしれない。」とも思えるのであります。動向をフォローしたいと思います。
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