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2016-05-17 00:00
(連載2)TPP交渉におけるサイドレターについて
緒方林太郎
衆議院議員(民進党)
ちょっとひねくれて、「アメリカで決められた製法で作っていないコーン・ウィスキーに『バーボン』と付けるな。」と合意しているわけですから、ならば、そのウィスキーに日本語名で「ブルボン・ウィスキー」と名付けてみたらどうなるかなと考えてみました。外国語表記は従来通り「Bourbon Whiskey」です。アメリカからケチを付けられたら、「いやいや、外国語表記では同じに見えますけど、国内ではバーボン・ウィスキーとは呼んでないんですよ。うちでは、フランス語っぽくブルボン・ウィスキーと呼んでいます。」と言い逃れをしてみる時、国際法上どうなるかなと考えてみました。
結論から言うと、サイドレターの日本語訳との関係では「ブルボン・ウィスキー」は○(国際法上問題ない)っぽく見えますが、正文たる英語では×かなと思います。英語正文と日本語訳との間に隙間が少しあって、それは「Bourbon」を「バーボン」と邦訳していることに起因します。
ただ、誰かこのサイドレターの日本語訳と正文の間隙を縫って、英語表記では「Bourbon Whiskey」、日本語では「ブルボン・ウィスキー」という商品開発をやらないかなと(勿論遊び心で)思ってみたりします。そして、「TPPサイドレター日本語訳では(アメリカで決められた製法で作られていない)『バーボン・ウィスキー』がダメだと書いてあるだけじゃないか。うちの商品は『ブルボン・ウィスキー』だ。」と強弁してみるわけです。結構、面白い結果になりそうな気もします。
荒唐無稽な話に聞こえるかもしれませんが、実は地理的表示に関する国際交渉というのは、こういう話をかなり真面目にやります。(おわり)
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