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2016-04-28 00:00
(連載2)選挙の敗北でレームダック状況の朴政権の今後を考える
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
反日政策はほぼ一貫していました。中国の反日と歩調を合わせるような形で、いわゆる「歴史問題」や慰安婦問題で日本を攻め続けました。国際的にも日本への批判を公言しました。これは韓国にとっても日本にとってもナイーブな問題です。簡単に解決する問題ではありません。この反日政策が長引くと、さすがに日本は韓国に距離を置くようになり、企業も撤退し始めます。政冷経熱といわれましたが、政治の冷え込みも長期に渡ると、経済にも影響します。ワールドカップを共催し、日本では韓流ブームまで起きた頃が思い出せないくらいの変わりようです。しかし、この状態からの脱却として安倍首相と朴大統領は慰安婦問題で合意を交わしました。ただこれも思ったようには進んでいません。
中国寄りの外交は、アメリカからの不信も引き起こします。アメリカにとって韓国は米韓相互防衛条約を持つ米韓同盟の関係のはずです。将来の敵国ともなりうる中国との関係を強めることは、アメリカにとっても好ましいものではありません。歴史的にも朝鮮半島は中国の支配下にあった時もあります。朴大統領の中国に傾倒する外交は見直しを迫られました。
いうならば、すべての方向がうまくいかないか、根本的な見直しを迫られています。残された時間は2年弱。しかも来年には大統領選が本格化しますから思い切ったことはできません。そこに今回の選挙での敗北。しかしせっかくの大統領のポジションですから歴史的な業績は築きたいはずです。できることはかなり狭まりました。経済政策でまとまった政策は打ち出せないでしょう。さらに混迷すると考えられます。できるとすれば外交です。しかし、建設的なことは今のレームダック状況ではできません。
そうなると私は、北朝鮮への厳しい外交政策と日本への厳しい外交政策の可能性が高くなったのではないかと思います。徹底的に金正恩第一書記と安倍首相を批判し、韓国の愛国心を沸き立たせるという方向です。残された2年間は思い通りには政策展開はできません。建設的な政策ではなく、破壊的な政策しかできないのではないかと危惧します。何も大したことをせずに、フェードアウトするという性格でもなさそうです。破壊的政策が韓国をさらに追い詰めることに繋がらないことを祈ります。できれば最後に建設的な政策展開ができればいいのですが。最後の花道は冬季オリンピックです。今の状況だとこれにも黄色信号は点っています。花道となるかどうか、です。(おわり)
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