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2016-04-15 00:00
米中と朝鮮半島について
真田 幸光
大学教員
私は、北朝鮮の最近の一連の核開発とミサイル実験などの動きのそもそもの前提は、厳しい生活を強いている一般人民に対する国威発揚、並びに、韓国との関係を緊密化しているかに見せていた中国本土に対する牽制があり、それに加えて、なかなか、関係改善の糸口すら示さない日米両国に対する一定の牽制、更に、経済的余裕が足りないロシアに対するアプローチなどを意識したものであり、だからこそ、「日米は、否、少なくとも日本はあまり過激な反応をまずは示さず様子を見てはどうか?」と考えていました。
しかし、米国はこの機を捉えて、中国本土に寄る韓国に対して一気に圧力を掛けて、「過激な行動を取る北朝鮮に対する共同歩調」と言う大義を以て、韓国を米国寄りに一気に引き戻す行動に出、この結果、この地域のパワーバランスに再び変化が見られるかもしれないと見ています。そして、具体的には、韓国が、米国が主導するミサイル防衛システムの受け入れを検討し始めるとしたことから、米中間の朝鮮半島を巡る水面下での争いは一層激しさを増す匂いがし始めていると私は感じています。
さて、こうした中、様々な国際関連ニュースを見聞きしていると、直近の北朝鮮の弾道ミサイル発射に関して、米国のカーター国防長官は、さる3月18日にワシントンで講演し、「こうしたミサイル発射実験は北朝鮮による挑発のパターンである。中国本土はより多くの役割を果たせるはずである。」との主旨の発言をしたようです。即ち、「中国本土が北朝鮮の核・ミサイル開発をやめさせるよう積極的に働きかける必要がある。」との考えを強調したものと言えましょう。日米同盟を前提として見た場合、こうした米国の発言は日本にとっては心強いものと映ります。
また、最近の東アジア地域に於ける傍若無人な言動を繰り返す中国本土に対しては、「地域の和平に対して、むしろ、もっと一定の責任を果たせ。」とも言いたいのが、我が国の立場でありましょう。しかし、中国本土の立場に立って見れば、少なくとも、こと北朝鮮問題に関して言えば、「米国が事態を複雑化している。」と中国本土は物申すものと思います。そしてまた、北朝鮮は、大国の思惑に翻弄される朝鮮半島と言う構図が再び、強まる中、「欧米諸国のイランに対する姿勢を見つつ、イランがしたように、先ずは核開発をもっと一気に進め、その核開発を交渉材料にして、北朝鮮にとって有利な条件を引き出して制裁解除の結論を引き出すことに集中する。」と私は見ており、そうした意味で、私は、「北朝鮮の核開発は、ほっておけば、更に進展する。」と考えています。混沌は深まりそうです。
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