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2016-04-13 00:00
日本国核武装のタブー崩壊
倉西 雅子
政治学者
アメリカ大統領予備選の選挙キャンペーンにおいて、トランプ候補の発言が、海を越えて日本国にも衝撃を与えております。在日米軍撤退論に関連して、核武装の容認にも言及したのですから。
核兵器の開発そのものは飛びぬけて高い技術力を要するわけではなく、一般的な科学的知識があって、本格的に取り組めば、どの国も保有することが可能なそうです。諸外国では、大学生が独学で作製した事例さえあるそうです。日本国の核武装も決して難しいことではなく、核保有を妨げている要因があるとすれば、NPT体制への参加による不保持の義務、並びに、非核三原則に象徴される唯一の被爆国としての自己抑制です。
しかしながら、仮に、トランプ候補が大統領に当選し、“公約”を守るとして在日米軍を撤退させる場合には、米軍の“核の傘”が消滅するわけですから、中国や北朝鮮からの核の脅威を理由として、日本国は、NPTからの脱退を求めることはできます。当然、アメリカも、この脱退を支持することでしょう。無法国家が核を独占的に保有し、核兵器で他国を脅す一方で、一般の諸国が核を保有できない状態はあまりに理不尽ですし、アンフェアでもあるからです。また、非核三原則についても、米軍撤退となれば、東アジアにおける現実的脅威に直面することとなった日本国民の多くも、その放棄を容認することでしょう。トランプ候補は、アメリカ国内では、タブーを物ともしない発言で注目を集めておりますが、日本国においても、トランプ氏の発言は、これまでタブーとされてきた、あるいは、極論と見なされてきた日本国核武装論の蓋を開けることとなったのです。
トランプ候補の発言は、日本国側に米軍駐留経費の負担増を求める交渉上の戦術との見方もありますが、日本国政府も、あらゆるシナリオに備える必要があります。そして、仮に核武装を選択した場合、さらに踏み込んで、核武装を以ってしても対応できない事態についても、十分な戦略を練っておくべきです。例えば、南シナ海問題といった国際海洋法に関わる領域などは、日本国の核武装では解決できません。アメリカ大統領選と並行して流動化する国際情勢において、日本国、並びに、国際秩序を如何にして護るのか、日本国政府の戦略能力をも問われていると思うのです。
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