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2007-02-23 00:00
連載投稿(1)戦後の日本が失った精神的豊かさ
湯下 博之
杏林大学客員教授
前々回、私は「留学生奨励は双方向で」と題して日本の若い人達に東南アジア留学或いは訪問を奨励すべきことを述べたが、東南アジアを深く知ることは、相互理解の観点のみならず、日本の精神文化の再建の観点からも有意義と思われる。第二次世界大戦後、日本は、経済の再建と発展の面では大きな成功を収めたが、余りにも物欲優先となり、精神面で失ったものが少なくない。そして、今や多くの人が「心の問題」に悩んでいるということがしばしば言われる。
確かに、かつては、「狭いながらも楽しいわが家」という言葉に代表されるように、経済的には決して豊かではなかったが、精神的には充実した生活があった。このような生活と現在の経済的には豊かであるが精神的に満たされない生活とを比べた場合、どちらが幸せな人生であるか考えさせられてしまう。日本人は、かつて持っていた精神面の豊かさを取り戻さないと、幸福な生活からますます遠ざかってしまうのではないかと懸念される。
このことに関連して、数年前、私がフィリピンで大使をしていた時に経験したことをご披露して、ご一考に供したい。
日本政府が行う経済技術協力の実施機関としてJICA(国際協力機構)があり、世界中の開発途上国で幅広い活躍をし、相手国から高い評価を得ていることは、よく知られている。そのJICAが実施している協力事業の一つに青年海外協力隊派遣事業があり、フィリピンでも若い日本人男女の皆さん60人余りが、へき地を含めてフィリピン全国に展開し、教育関係、農業関係その他実に多くの分野で、現地の人達に溶け込んで協力活動を行っている。(つづく)
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