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2016-03-10 00:00
(連載2)朴大統領の3年間
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
この法則でいくなら朴政権の支持率はかなり低くなるはずなのですが、今でも手堅い支持率を持ちます。不支持の勢力も強いのですが、それでも40%前後の支持率を保っているのは驚きです。これには、韓国保守層の手堅い支持があります。特に高齢者層が朴大統領を支持し続けています。
非常に興味深いのは年代によって朴大統領の支持率が大きく変わることです。世論調査会社ギャラップが1月24~28日に行った調査によると、朴大統領支持率は20代が14%、30代が18%、40代が31%、50代が54%、60代以上が73%となっています。20代、30代のあまりの低さ、そして60代以上のあまりの高さに驚かされます。韓国は若年層の失業率が非常に高いことでも知られています。全体の失業率は日本とあまり変わらないのですが、若年層の失業率は10%に近くなります。韓国は日本と同様に少子高齢化に苦しむ国ですが、その少子化の中で、若年層の失業率がこれだけ高いのは驚きです。これでは、社会に活力は生まれません。若者の社会への不満も高くなっています。これは朴政権のアキレス腱といっていいでしょう。
そして朴政権の支持を支えるのは外交面での強気の姿勢です。対日の強い姿勢は経済的にはプラスにならなくても、国民からの支持は得ることができました。北朝鮮への強硬姿勢も支持率を高めています。北朝鮮との経済協力事業である開城工業団地の操業中断は韓国にとっても経済的に痛手です。しかしその思い切りの良さに世論は好意的な反応です。
問題はこれが選挙にどう反映されるか、です。4月13日に行われる総選挙は、朴槿恵大統領の審判ともなります。ここがどうなるかによって残りの2年弱の政権運営が実質的なものになるか、レームダック状況になるか、が決まります。朴政権に対する支持はかなり分かれており、微妙なところです。与党セヌリ党がどれだけ議席を獲得するかは微妙です。問題は野党が分裂し、足並みが揃わないことです。最大与党の「共に民主党」も内部抗争があり、選挙態勢が整いません。このままであれば、与党がかなりの議席を獲得し、朴政権の政治がしやすくなるのではないかとみられています。まだ時間がありますから、状況は一気に変わることもあります。それまでに経済的な不安定要素が顕在化するかどうかもポイントになりそうです。野党がどのようにアピールできるかが結果を大きく変えるように思えます。(おわり)
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