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2016-02-24 00:00
(連載1)北欧も苦悩する移民・難民問題
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドなどは福祉と人権の国。環境や女性の社会進出にも積極的で、いわば世界の優等生です。幸福度指数などでも北欧諸国はたいてい上位にランクイン。日本では夢物語のような政策が実現しています。私は、スウェーデンに6年間住んだことがあります。そして日本に帰ってからも、北欧の移民政策についての研究も行いました。
そこで垣間見たのは、難民・移民問題では本当に悩んでいる北欧の姿でした。確かに、制度としては北欧の移民・難民受け入れは素晴らしいものがあります。北欧の世界トップクラスの福祉制度の恩恵も受けることができます。語学研修や労働研修などの制度も整っています。語学研修を受けながら、お金を受け取る移民の姿に驚きました。北欧では移民が語学や労働研修を受けるのに、お金を払うのではなく、労働のようにもらう仕組みがありました。日本とのあまりの差に驚かされたのです。
こうした素晴らしい制度を持っているのですから、移民・難民は北欧に感謝感激しているはず、と思いきや、全く違いました。彼らと話すと、北欧社会の閉鎖性や冷たさに愚痴の連続。天気も良くないので、その愚痴もかなりありますが、これはまあ、仕方ないこと。しかし、それ以外のことでも不満だらけでした。これだけ福祉の恩恵を受けているのに、とは思いますが、移民・難民の人には北欧社会と文化はどうも合わないようです。制度では差別はなくても、静かなる差別があり、ほとんど交流していない実態が浮かび上がりました。
北欧人もパーティなどでは 移民・難民の悪口のオンパレード。「自分たちの福祉制度を食い物にしている」とか「北欧文化が壊されている」とか、不満を口にします。つまり一見、差別のない素晴らしい制度を持っている社会ですが、実際にはお互いに不満を持ちながら、お互いのカプセルの中に閉じこもって、表面上は「平和」に暮らしていたのです。(つづく)
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