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2016-02-19 00:00
防衛生産・技術行政に変化あり
佐藤 正久
参議院議員(自由民主党)
近年、日本の防衛生産・技術行政は新たな動きを見せている。武器輸出三原則の見直し、防衛生産・技術基盤戦略の策定、そして、昨年10月の防衛装備庁の発足はその典型だ。特に「技術的優位」の確保や「取得改革」の推進、「国際装備協力」の推進や「防衛生産・技術基盤」の強化を方針に掲げる装備庁の発足は装備行政において大きな節目と言える。
こうした動きに背景には周辺国における軍事的技術力の発展や軍民両用技術の発展と活用への期待、技術の高度化に伴う研究開発費の高騰などが、挙げられる。特に研究開発費の高騰は世界各国に共通した現象となっており、各国とも、調達改革など様々な努力をしている。
国際装備協力もその一つ。米国も含め、装備に必要な全ての技術を独力で確保することが困難になってきている今、国を超えて相互に技術を補完し、研究開発費や調達費といったコストをシェアしようとする動きが広まっている。空自が導入するF-35もその一例だ。日本も、現在、オーストラリアと潜水艦協力の可能性を模索している。ただ、国際装備協力の動きが進んでいるとは言え、基本となるのは、強固な国内防衛生産・技術基盤であることに変わりはない。なぜなら、他国より優れた技術やノウハウがあってこそ、他国は日本との協力に魅力を感じるからだ。これがいわゆる「バーゲニング・パワー」である。
防衛装備分野においても国際化が進む状況にあるからこそ、日本が防衛力整備において自立性を保つためにも、他国と協力する際にバーゲニング・パワーを発揮するためにも、より一層、国内の防衛生産・技術基盤の強化に努めなければならない。
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