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2016-02-08 00:00
(連載1)ドイツが抱える三重苦:メルケル首相に向かい風
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
ドイツはヨーロッパの優等生。経済においても外交においてもヨーロッパのリーダーとして活躍してきました。その中心にいるのがメルケル首相です。2015年秋にフォーブス誌が発表した「世界で最も影響力のある人物ランキング」でロシアのプーチン大統領に次いで2位にランクされています。つまり、世界で最も影響力のある女性といえる人です。メルケル首相は28カ国が加盟する欧州連合のまとめ役を務め、まさに順風満帆というところでした。次期国連事務総長の候補として推す人も少なくありません。素晴らしい評価を受けてきたドイツ、そしてメルケル首相ですが、最近は状況が変わってきています。
日刊紙ビルト紙が世論調査会社INSAに委託した調査で、ドイツのメルケル首相(キリスト教民主同盟)率いる、保守大連立政権の支持率が2.5%下がり、2013年9月の総選挙以来最低水準の32.5%になったことが報じられています。国内外からの高い評価・支持があったのですが、向かい風が吹いてきています。
まずなんといっても重要なのが、難民・移民の受け入れ問題です。メルケル首相は、これまでは難民の受け入れに前向きでした。昨年に難民問題がクローズアップされた時も、メルケル首相は、ハンガリーで足止めを食っていたシリアやイラクなどからの難民を、ドイツに受け入れることを発表しました。難民の人権を考える責任ある国でありたいということと、ドイツにとっても将来の有力な労働力となるという視点、つまり明日の希望の存在として、受け入れを表明しました。
しかし、難民・移民の流れは止まりません。ドイツ国内でも難民のさらなる受け入れに反発もでてきました。悪いことに、ケルンで昨年の大晦日に、560人以上の女性が大勢の男に取り囲まれ、性的暴行や窃盗などの650件以上の被害がありました。その容疑者の半数以上がアルジェリアやモロッコなどの難民であったこともあり、難民・移民に対しての批判の声が高まったのです。メルケル首相も方向を軌道修正しつつあり、難民・移民の受け入れを抑制するように動いています。しかし、これまで前向きな姿勢をとってきたメルケル首相に対する反発は強いのです。(つづく)
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