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2016-02-04 00:00
(連載2)防衛生産・技術基盤、現場の情熱に感動
佐藤 正久
参議院議員(自由民主党)
相模原製作所の次に足を運んだのは、そんな苦しい状況の中で懸命に頑張っている“町工場”、洞菱工機(どうりょうこうき)。戦車や高機動戦闘車(MCV)などの部品の製造を手掛けているいわば、「縁の下の力持ち」だ。洞菱工機は、社員約30名。しかし、高精度・高品質の製品は、確かな信頼を得ている。会議室の前には、同社の部品が使われている戦車など数々の自衛隊の装備品の模型が綺麗に展示されており、誇りを持って防衛生産・技術基盤の一翼を担っていることがよく分かる。
ただ、こうした町工場は、大切な生産ラインを、装備品用の特殊な部品の製造に当てているため、一般論として、防衛事業への依存度も高い。また、大企業と違いある部門の苦境を別の部門の努力で補填するというようなこともできない。よって、防衛予算の増減の影響をもろに受けることになる。維持整備も含めて国内企業が関与できないような海外の装備品を調達するということは、その分、国内企業が関われる予算的余地も奪うことになる。
防衛予算の削減が続いた数年前まで、そして、海外装備品の調達が増えている今、国内の防衛生産・技術基盤の「縁の下の力持ち」である“町工場”はまさに苦しい状況が続いている。「国を守ることに、微力ながら貢献できれば」(会長談)。そんな気概で事業を担う洞菱工機などの“町工場”が不安なく、防衛事業を担える環境を整えることは急務である。
装備品は揃えれば良いのではない。使えなければ意味がない。使い続けるためには、継続的にメンテナンスをし、必要であれば改良や改造を円滑に施さなければならない。そのためには、技術を持った国内企業が、事業に参加できる環境を整えなければならないのだ。そうした意味で、やはり、「国産」は重要。もちろん、予算的制約を抱え、実戦経験もなければ、実戦に基づいたデータの蓄積もない日本があれもこれも「純国産」とすることは不可能。それでも、国際共同開発・生産やライセンス国産も含め、「国産」という方向性自体は追求する必要がある。何故なら、防衛生産・技術基盤あってこその「防衛力」だからである。強固な防衛生産・技術基盤を育むために、佐藤はこれからも力を尽す。(おわり)
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