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2015-12-21 00:00
(連載1)サーティフィケーションへの懸念
緒方林太郎
衆議院議員(民主党)
報道で、APEC時の日米首脳会談でオバマ大統領が「豚肉貿易に関する日本の国内措置に懸念がある」みたいな話をしたというものがありました。ちょっと、嫌な予感がしました。実はこれまでアメリカは自由貿易協定を締結する際、国内執行法に「サーティフィケーション」と呼ばれる仕組みを入れてきています。これは何かと言うと、相手国が義務を十分に果たしていないのであれば協定を発効させないということです。例えば、米韓FTAではこういう規定があります。
Conditions for entry into force of the agreement: At such time as the President determines that Korea has taken measures necessary to comply with those provisions of the Agreement that are to take effect on the date on which the Agreement enters into force, the President is authorized to exchange notes with the Government of Korea providing for the entry into force, on or after January 1, 2012, of the Agreement with respect to the United States.
簡単に言うと、韓国が協定義務に従っていると米国大統領が判断した時点で、米国大統領は韓国との間で協定の発効のための口上書交換をしてもいい、ということです。これが面倒なのは、米国議会がバックにいることです。判断権者は大統領ですが、議会からの圧力でこの規定を駆使するという力学になります。実際、オーストラリアとの米豪FTAでは、アメリカからの圧力でオーストラリアは追加的な国内法改正を求められたとする論考もあります。
また、冒頭の豚肉の国内措置についても、恐らく有力議員からの圧力がフロマン通商代表にあり、それがオバマ大統領に上がっているという事でしょう。まだ、アメリカのTPP国内執行法は提出されていませんが、サーティフィケーションもどきの動きが既に始まっていると見ることも出来ます。これは「交渉のリオープン」でも、「再交渉」でもありません。協定はそのままなのですが、それが日本国内で十分に履行されていないというケチが議会筋から付いてくる時、そのケチを受けてオバマ大統領が「もうちょっと国内措置の所で開放度を上げてくれないと発効させられない」と言ってくるということでして、本来は国家としての主権を害するものです。(つづく)
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