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2015-12-17 00:00
南シナ海問題なき日中関係改善のリスク
倉西 雅子
政治学者
日本国の与党、自民公明両党と中国共産党が「与党交流協議会」を開き、ガス田の共同開発など、東シナ海での協力促進で認識の一致を見たそうです。しかしながら、この関係改善への動き、中国に誤ったメッセージを送るリスクがあります。
報じられるところによりますと、中国側は、歴史問題や海洋問題で日本側を牽制する一方で、当会談での共通認識を示す共同声明の発表を提案しているそうです。共同声明の文面の詳細は不明ですし、また、実際に作成されるのか、否かも定かではありませんが、先日のASEAN関連の国際会議においては、中国は、南シナ海問題を領土問題に矮小化した上で、この問題を議題としたり、共同声明に盛り込むことに強固に反対しておりました。
過去の経緯から推測しますと、日中間の共同声明においても、中国は同様の態度で臨むことでしょう。否、日本側与党の出席者の顔ぶれを見ますと、日本側から積極的にこの問題を提起するかさえ怪しいのです。仮に、共同声明が公表されるとすれば、その内容は、日中関係改善一色となることでしょう。あたかも、南シナ海問題は存在していなかったかのように…。そして、中国は、日本国側から南シナ海問題、つまり、人工島の軍事基地化と領海設定について了解を取り付けたと一方的に解釈し、国際社会に向けて宣伝するかもしれません。
最近に至り、マスメディアから南シナ海問題に関する報道がめっきり減り、現在、この海域で何が起きているのかを正確に知ることが困難となっています。この不自然な沈黙こそ、要注意なのではないかと思うのです。
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