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2015-11-25 00:00
(連載2)ヨーロッパにはテロ発生要因が揃っている:三つ巴の昏迷
倉西 雅子
政治学者
以上の二つの条件はテロリスト側に関するものですが、第三の要因は、受入側の居住国において、“世界市民”的な思想が一定の影響力を持っていることです。近代人権思想の危険性については、侵害者に対する脆弱性、並びに、敵味方関係の無視による無防備性として既に指摘しましたが、こうした弱点は、テロに対する抑止力の解除をも意味します。相互性の欠如した個人の基本的な権利と自由の尊重は、テロリストにも行動の自由を与えるのです。
そして第四の要因とは、近代人権思想を信奉する左派の人々が、移民政策に反対する人々を攻撃すべき“敵”と見なしていることです。右派のみならず、安全を求める一般国民の声も、左派の人々によって抑えられてしまいますので、テロリストにとりましては、左派勢力は間接的には擁護者となります。
以上にテロが頻発しやすい条件を挙げてみましたが、これらの要因は、現在のヨーロッパが解き難い三つ巴の様相を呈していることをも示しています。テロ対策の強化を求める右派勢力、近代人権思想の申し子でもある左派勢力、そして、内部の同族、並びに、外部の出身国とも繋がるテロ組織です。
テロの撲滅には、テロリスト以外の三者が結束して当たるべきなのでしょうが、そうならないところに、ヨーロッパのテロと移民対策の難しさと昏迷があるのではないかと思うのです。(おわり)
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