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2015-11-24 00:00
(連載1)もう一つの中国本土経済に対する見方について
真田 幸光
大学教員
11月12日の私の本欄への投稿をご覧くださったある企業経営者の方から、「私もあまりにも中国頼りに傾きすぎていると思います。どうしても目の前の利益に走りがちですが、もっと鳥の目を持つべきだと思います。世界がものすごい速さで変化していっています。必ず隙間は出てくるものと思います。中小企業もチヤンスがたくさん出来ると思います」とのコメントを戴きました。大量生産大量販売のビジネスモデルに頼らなくても良い中小企業には中国本土を頼りにしなくとも生き抜ける「場」があるのではないでしょうか。
さて、その中国本土経済、私は、次のように考えています。一義的には、人民元高を背景として、そして世界的に見ると、米国が資金バブルの国際金融情勢を修正するような動きを示す中、輸出競争力を落とし、世界の需要も相対的には減少し、中国本土の外需部門にダメージを与えた。この結果、国内では雇用情勢も悪化し、国内消費にも影を落とし、外需のみならず、内需も縮小、中国本土経済は一気に縮小近郊へと転換してしまった。
こうした情勢を受けて、中国本土政府は新常態と言ったわけの分からぬ概念を打ち出し、内外の懸念を打ち消そうとしているが、今年に入ってからの実体経済の如実な落ち込みが顕在化し、中国本土政府は今、インフラ開発バブルを引き起こし、実体経済の落ち込みをインフラ開発バブルでカバーしようとしている。即ち、米国などの先進国とは異なり、中国本土では国内にはまだまだインフラ開発需要も強く、消費財に対する需要も強い。
従って、先進国のように、消費者に借金をさせて消費を意識的に作っていくといったバブル造成の必要はなく、インフラ開発を前倒しにするという形でのバブル造成に入った。ここで、中国本土政府・国家統計局の統計を見ると、例えば本年7~9月期の実質国内総生産(GDP)が前年同期に比べて6.9%増加したと発表しているが、業種別の成長率も併せて公表しており、その詳細を眺めると実体経済を支える主要業種が4~8%の低調を記録した、金融業だけが16.1%成長し、インフラ開発バブルを支える形で、政府が目標とする7%維持(保七)をしようとしているが、中国本土の実体経済はかなり深刻な状態にあり、いよいよ中国本土も先進国同様、金融バブルではない、インフラ開発バブルという形で、バブル経済を拡大する可能性が出てきた。(つづく)
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