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2015-11-18 00:00
(連載3)豚肉の関税の変化:TPPとの関係で
緒方林太郎
衆議院議員(民主党)
TPPでこれがどう変わるかというと、まず、コンビネーション輸入すれば、キロ524円の所で関税はゼロになります。コンビネーション輸入しない場合、キロ324円の豚肉は50円の関税を払ってキロ374円で輸入での輸入、キロ724円の豚肉は関税ゼロということになります。と考えると、やっぱりコンビネーション輸入することで安い豚肉の一方的な流入は無さそうにも見えます。
しかし、豚肉の輸入実態について聞いてみると、現在のコンビネーション輸入によって、高級豚肉のヒレ、ロース等を引き取らざるを得ず、供給過剰になり、それが国内産のヒレ、ロースの値段に下落圧力が掛かる原因になっているという話もあります。コンビネーション輸入であるが故に、本当はうで、ばら、ももといった低価格帯の部位だけが欲しい業者さんが、高価格帯を引き取った上で投げ売っているという実情があるようです。そういう業者さんからすると、何もコンビネーション輸入であまり欲しくない高価格帯を輸入することなく、低価格帯分だけを50円払って輸入するインセンティブはあるわけです。
ここまで読んで分かったと思いますが、今は差額関税があるから、それをかいくぐる手段としてコンビネーション輸入をする動機が強く働くわけですが、今後は差額関税が適用される価格帯はかなり小さくなります。それにもかかわらずコンビネーション輸入だけを残してしまうということが問題なのではないかと思います。
低価格帯のリンゴは課税、高価格帯のリンゴは無税という制度があるとして、その時に低価格帯と高価格帯を混ぜて輸入して関税をかいくぐったら普通は脱税です。今後の豚肉輸入の問題は差額関税ではありません。コンビネーション輸入という法律の何処にも書いていない制度なのです。幾つかの仮定を置きながら書いていますが、今回のTPPの豚肉の交渉結果は決して「低価格帯の豚肉が流入してくることはない」という事には直結しないはずです。現在の輸入実務をもう少し勉強して、更に考えてみたいと思います。(おわり)
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