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2015-11-12 00:00
『科学技術基本計画』(素案)に、初めて「安全保障」に関する項目
佐藤 正久
参議院議員(自由民主党)
10月29日、政府の「総合科学技術・イノベーション会議」の専門調査会は、平成28年度から平成32年度に適用される「第5期科学技術基本計画」の素案をまとめました。最大の特徴は、科学技術基本計画としては初めて、「安全保障」に関する項目が設けられたことです。この背景には与党内の議論と平成25年12月に閣議決定された我が国初の「国家安全保障戦略」の策定があります。政府が定めた「戦略」に基づいて、科学技術に関する向こう5年間の基本計画が練られたということになります。
計画の素案では、国家安全保障上の諸課題に対し、関係府省・産学官連携の下、適切な国際的連携体制の構築も含め、必要な技術の研究開発を推進するとしています。また、国内外の技術開発関連情報等、科学技術に関する動向の把握に努めることも謳われています。
技術には多義性があります。軍事技術が民生技術に活かされることもあれば、民生技術が軍事技術に活かされることもあります。それにも関らず、日本では戦後長きにわたり、いわゆる軍事技術と民生技術を、極端に切り分けてきました。そして、「民生技術」のみに力を注いできました。つまり、「安全保障」という視点は長らく欠如していたのです。それが、15年前ほど前から「安全・安心」という文脈の下、徐々に「安全保障」に関する視点も盛り込まれるようになりました。そしてついに、まだ素案の段階ではありますが、「安全保障」に関する項目が設けられたのです。
日本の科学技術力の未来を左右する「科学技術基本計画」。安全保障に関する課題が山積する今、「安全保障」に関する項目や観点が盛り込まれたまま、基本計画が策定にいたることを願ってやみません。第5期科学技術基本計画。その動向に注目しましょう。
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