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2015-10-28 00:00
(連載1)「世界の記憶」といわゆる南京事件
緒方林太郎
衆議院議員(民主党)
ユネスコの「世界の記憶」にいわゆる南京事件関連資料が登録されたということで、国内で非常に問題になっています。微妙な問題なので書き方には気を付けたいと思いますが、慎重に思う所を正確に書いていきたいと思います。
まず、メディアでは「世界記憶遺産」と呼んでいることが多いですけど、正確には「世界の記憶(Memory of the World)」です。何処にも「遺産(heritage)」という言葉は出てきません。いわゆる「世界遺産(World Heritage)」や「無形文化遺産(Intangible Cultural Heritage)」よりはグレードが下がります。そして、あれは諮問委員会の審査を経て、最終的にはユネスコ事務局長が採否を決定します。
今のイリーナ・ボゴバ・ユネスコ事務局長は、実はバン・ギムン国連事務総長の後釜として有力候補の一人です。「東欧」、「女性」ということで好条件を備えています。国際政治上、国連事務総長になりたければ、P5(安保理常任理事国)の意向に真っ向から反旗を翻せません。今回の件で逃していけないのはここです。そして、今、日本が主張している「『世界の記憶』の登録のあり方については改革が必要」というのは、そういう属人的な圧力が掛からないようにすべきということを言っているのだと思います。それは正しい改革の方向性でしょう。馳大臣のユネスコ総会でのパフォーマンスに期待したいと思います。
ただ、本件についてあえて水を挿すような事を言うと、いわゆる南京事件の存在「そのもの」(注:ここは強調しておきます)を、「日本国として」(注:ここも強調しておきます)国際的に問題視することは得策で無いと思います。それは国際法及び日本国が採用してきた解釈によって、かなりの部分は蓋がされている事であって、国家間で提起しても国際的に共感がまず得られないのみならず、むしろ日本の国際的なポジションを下げる可能性があります。(つづく)
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