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2015-10-23 00:00
(連載1)軽減税率論議に仕掛けられた財務省のわな
田村 秀男
ジャーナリスト
消費税の軽減税率導入論議の本質は2017年4月からの消費税率10%を既成事実化するための目くらましである。消費税増税の経済破壊効果はすさまじく、1997年度はデフレ不況をもたらし、2014年度はアベノミクス効果を吹き飛ばした。にもかかわらず、国家として2度も重大な失敗を繰り返したという自覚が政官財と主流メディアにない。このままでは安倍晋三首相が打ち出した「国内総生産(GDP)600兆円」の目標は画餅に終わるだろう。
軽減税率論議はインボイス(税額票)と並んでどの品目を対象にするかが焦点になっている。軽減税率論議の盲点は、全品目を軽減税率の対象にしない限り、消費税増税特有の経済破壊装置が作動することだ。
デフレ不況で雇用状況が悪化して税収全般が大きく減って財政収支が悪化すれば、そのときが消費税増税のチャンスだととらえる財務官僚はこざかしい策謀にたけている。税率10%への引き上げ実施に向け、マイナンバー利用による消費税還付方式が安倍内閣によってはねつけられる事態は、財務官僚にとってはとっくに計算済みだっただろう。
その場合は軽減税率導入で官邸と与党の足並みをそろえさせ、17年4月からの消費税再増税を不動にする。あとは個別条件次第というわけで、軽減税率の方式、実施時期、そして対象品目の論議を裏でリードすればよい。何しろ、税制に関する専門知識、税収の見通しなどの情報は財務官僚が独占しているわけで、政治家は財務官僚のサポートなしに暗くて深い消費税の迷路を歩けないし、党税調や与党間の喧々囂々の論議をリードして実績を挙げることなどできない。(つづく)
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