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2015-10-22 00:00
高校生の政治活動:“お手本”にならないSEALDs
倉西 雅子
政治学者
成人年齢の18歳への引き下げに合わせて、来季の参議院議員選挙から18歳以上の高校生も有権者となることとなりました。文部科学省は、この流れを受けて高校生の政治活動を解禁する方針を示しておりますが、安保関連法案で反対デモを組織したSEALDsは、悪しき前例となってしまったのではないでしょうか。
マスコミなどでは、SEALDsは、政治に目覚めた若者達による自然発生的な学生組織と宣伝されておりますが、その実態は、左翼政党や外国勢力をバックとしたごく一部の若者たちの活動です。過激なパフォーマンスに加えて、”敵”と見なした側に対して口汚い罵詈雑言を投げかけてもおり、シンパからはヒーロー扱いされてはいるものの、SEALDsは、お世辞にも政治活動の”お手本”となるとは思えません。しかも、本人達は否定していますが、新聞広告の掲載などから推察されるように、外部の団体から資金援助も受けており、デモへの参加をきっかけに、特定の政治団体に絡め取られる可能性もあります。
一般の学生は、むしろ、SEALDsの活動を冷めた視線で見つめており、“政治活動”の解禁が、過激なデモへの参加を意味するとしますと、誰もが二の足を踏むことでしょう。言い換えますと、今般のSEALDsの活動は、若者と政治との距離が縮めるどころか、逆に、距離を開かせてしまっているのです。政治がデモ活動と短絡的に結び付けられますと、”政治は非日常的なもの”とするイメージが強まることにもなります。
若者たちが、政治を身近に感じるようになるためには、別の方法からアプローチする必要がありそうです。教育課程において政治の基本的な役割や仕組みを教えると共に、教室で模擬的政策議論の場を設けたり、過激なデモに参加するよりも、政府や議会の見学機会を増やす、あるいは、政治家のインターン制度の導入などを図る方が効果的ではないかと思うのです。
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