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2015-10-16 00:00
(連載2)TPP大筋合意について:自動車を中心に
緒方林太郎
衆議院議員(民主党)
(2)さて、日本の自動車産業はどう立ち振る舞うべきか。すぐには自動車の関税は下がりません。ただ、仮に20数年後に下がる時でも、少し高めの価値基準での原産地規則が適用されます。
大体、日本で作られる自動車は、日本国内でどの程度の価値が積み上げられているかというと40%前後だと聞いています。部品は中国、韓国、タイからの輸入が多いです。いずれも現時点でのTPP加盟国ではありません。となると、今のままで少し高めの価値基準を適用されるという事になると、もう少しTPP域内での価値を積み上げる必要が出てきます。
可能性としてあるのは、以下の3つです。(i)部品生産をTPP加盟国に移す。(ii)部品生産を国内に戻す。(iii)タイや韓国にTPPに入るように促す。どれかの戦略を、関税ゼロが適用される時までに実施しなくては、折角日本で作った自動車が、通商ルールの上では「日本産(というかTPPでの関税適用が可能なもの)」として認めてもらえなくなります。「Made in Japan」と書いてあるから、当然、日本産として関税がゼロになるわけではないのです。
まだ、大筋合意の内容すら分からないので、何ともコメントしにくいのですが、あくまでも通商ルール上の問題点として挙げさせていただきました。もしかしたら、上記のような点は交渉上手当されているかもしれません。あとは結果を見たいと思います。(おわり)
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