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2007-02-03 00:00
連載投稿(2)ようやく義務教育終えたか日本のPKO
伊奈 久喜
新聞記者
現実はそれほど甘くなく、半年ほど前、またも騒動が起き、いったん使命を終えた国連PKOも戻ってきた。最近の情勢を朝日新聞の藤谷健記者は、「東ティモールの首都ディリの昨年の騒乱から半年。国連警察の展開にもかかわらず、若者集団の抗争や放火などが繰り返され、緊張が続いている。一時15万人以上に達した避難民の大半は自宅に戻ったが、治安に不安を持つ3万人が50カ所を超える避難所でいまなお暮らす。避難生活が長引く中、感染症の流行など新たな懸念も出ている」(2007年1月13日、朝日新聞朝刊)と伝えた。
それでも1999年12月と比べれば、現状の方がましだろう。当時ですら、丸腰のNGOの日本の人たちがたくさん活躍していた。文民警察官のPKO参加に危険が全くないわけではないが、派遣されるふたりは1月30日に安倍首相を表敬訪問し、「安全と健康に注意をはかって最良を尽くしたい」(2007年1月31日、毎日新聞朝刊)と述べた。
警察もトラウマからさめる時期なのだろう。これと競うかのように、ネパールPKOには自衛官5-10人程度が近く派遣される。自衛官のPKO参加といえば、これまではカンボジア、東ティモールなどで陸上自衛隊の施設部隊が道路建設などにあたる例が目立ったが、ネパールでは200人規模で展開を予定する国連の軍事監視団に参加する。
本欄で以前、防衛省・自衛隊のPKOに対する消極姿勢を批判したが、省昇格に伴って自衛隊の海外での活動が「本来任務」に格上げされ、さすがに変化が起き始めたようだ。警察と陸自の日本国内での一種のライバル関係は、東京にいてはわからないが、陸自駐屯地のある地方自治体では、どこでもよく知られている。
国内で妙な競争をしても大きな意味はないが、国際協力分野での両者の競争は望ましい。文民警察官はもっと数が増えてもいいし、自衛官のPKO参加の形も、施設部隊だけでなく、もっと多様化する必要がある。1992年に陸上自衛隊がカンボジアで初めてPKO活動を展開してから15年。ようやく義務教育が終わる年齢になったといったところか。(おわり)
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