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2015-09-09 00:00
中国は”証拠隠し”要求よりも自国の尖閣資料の公開を
倉西 雅子
政治学者
日本国の外務省が、尖閣諸島が日本領であることを証明する資料をホームページで公開したところ、中国外務省は、これを挑発行為と見なして反発を強めております。
中国外務省の華春瑩副報道局長は、日本国に対して「歴史を直視し、事実を尊重し、中国の領土主権を損なう一切の挑発的行動を停止するよう促す」と述べて資料公開の停止を求めておりますが、尖閣諸島が日本領となった経緯を証拠を以って示すことこそ、”歴史を直視し、事実を尊重”する行為となるはずです。歴史上の事実は、証拠を以ってしか確認することができないからです。ですから、中国の主張に納得する人もなく、誰にでも分かる論理破綻は、逆に、中国の目的が、尖閣諸島日本領の”証拠隠し”であることを強く印象付けています。
仮に、中国が、なおも尖閣諸島が中国領であると主張するならば、威圧的な態度で”証拠隠し”を求めるのではなく、自らの外務省ホームページで、自国が保有している尖閣諸島関係の資料を外国語訳を付けて公開すべきです。それができないのであるならば、日本国のみならず、国際社会もまた、中国が、歴史的、並びに、法的根拠が存在していないにも拘わらず、尖閣諸島の領有を主張していると見なすことでしょう。つまり、中国の尖閣諸島領有の主張は、周辺海域の地下に埋蔵されている資源目当てに日本国から領有権を奪うために練られた謀略であったことが凡そ確定するのです。
一方、仮に、対抗措置として中国側が自国の尖閣史料を”証拠”としてホームページ上に公開するとしますと、日中両国による”証拠の提出”となり、いわば、司法手続きに近づくことになります。あらゆる諸国が両国の提示した”証拠”にアクセスできる状態となれば、国際社会も、第三者の立場から”証拠調べ”を行い、どちらの主張が正しいのか判断することもできます。外務省の資料公開合戦は、それが実現するとすれば、司法解決の”前哨戦”となるのではないかと思うのです。
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