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2015-09-02 00:00
(連載3)安保法制の論点:国際平和共同対処事態
緒方林太郎
衆議院議員(民主党)
あと、(2)はちょっと対象が漠然としすぎていますね。「当該事態に関連して国際連合加盟国の取組を求める」とは何を意味しているのかがよく分かりません。前文で「a threat to international peace and security」と書いてあれば、何でも引っ掛けることが出来そうです。もう一つ言えば、安保理ではなく、国連総会決議として(1)又は(2)としてどんなものがあるのかということも答弁がありませんでした。
ただ、実はこの法律で最も議論されなくてはならないことは、単なる決議の明確化ではありません。それよりも、「では、これらの決議がある中で、どの活動に出ていくのか。」ということです。実は「a threat to international peace and security」という表現が入り、上記の(1)又は(2)に当てはまるものはかなり多いです。重複を含めれば、過去3年で60程度の決議があります。例えば、意外に思うかもしれませんが、安保理決議2177においては「エボラ出血熱の拡散」が「a threat to international peace and security」であると認定されています。法律上は、このエボラ出血熱の拡散に対応する諸外国の軍隊に対する後方支援も含まれ得ることになります。
となると、法律上は該当し得る決議がたくさんある中で、どれに行くのかという指標が必要になります。最も重要なのはここです。そして、それを判断する根拠規定は「国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要」があることです。日本はどういう条件が揃ったら、国連決議に基づく活動に主体的かつ積極的に寄与するべく後方支援をするのかです。
私はあれこれ考えた結果、「自衛官に死傷者が出そうなもの」、「活動の結果、殺傷される相手の数が多くなりそうなもの」は外した方がいいように思います。それが唯一の基準たり得るとは思いませんし、こういう事を言うと「一国平和主義か」との批判を浴びることも知っていますが、それでもあえて「国際社会の平和及び安全(いわゆる世界平和)」という自衛官の服務宣誓から読み込めない活動をする以上、そこは慎重たるべきだと思うわけです。国際平和共同対処事態を恒久法としてやることの意義を全否定するつもりもありません。平素から訓練をするためには恒久法があった方がいい、という理屈は分かります。だからこそ、「何に出ていくのか」というところは、国連決議が出れば行け行けドンドンであってはならないと思っています。(おわり)
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