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2015-08-21 00:00
(連載3)安保法制の論点:改正PKO法について
緒方林太郎
衆議院議員
しかも、現代においては、爆破装置が精巧化しています。アフガニスタンにせよ、イラクにせよ、米兵が一番亡くなっているのは、この手の治安維持活動でIED(Improvised Explosive Devices)といわれる即席の爆破装置です。近年、携帯電話等と連結するかたちで簡単に遠くから適時に爆破をすることが出来るようになってきています。命を落とす、命に別状はなかったけど衝撃で脳に障害を負う、そんな症例が米軍の中でたくさん報告されています。
また、第二次アフガン戦争後のISAFに派遣されたデンマーク軍の経験を撮影した映画「アルマジロ」については、最近少し有名になってきていますが、あれもとても示唆的です。誰が撃っているのか分からないけど、たしかに銃撃戦を仕掛けられている姿がリアルに取り上げられています。治安維持業務だと思って行ってみたら、そこは完全に戦場だったということです。なお、今回の法律によれば、ISAFは(派遣五原則との関係はあるものの)対象に入り得るように思えます。
あまり元同僚を批判したくはないのですが、本件については法案作成をした方々に経験と想像力が少し欠けているのではないかなという気がします。外務省で言えば超エース級の方々が法案作成をしています。それらの方々は、ヤバそうな場所の経験が少ないのではないかと思うわけです。アフリカ勤務など経験のない方が考える現場感の無さを法案や答弁の中に散見します。
今回の法制全体には色々なものが盛り込まれていますが、最も直近で自衛官の身に危険が生じそうなのがこの改正PKO法での安全確保業務です。それに応じて、駆けつけ警護(武器装用権限の拡大)が認められてはいますが、それは自衛官の安全を確保するために十分かと言われると、とてもそうは思えません。勿論、それが日本の国際貢献にとって必要なのであれば、自衛官に対する高いリスクを認めた上できちんと国民に真正面から説明すべきです。「安全確保業務であって、治安維持ではありません」、「相手を殲滅したり、特定の地域を占領したりすることはありません」、「駆けつけ警護を認めています」、そういう答弁だけで理解を求めようとしてはいけません。(おわり)
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