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2007-01-29 00:00
日中の指導者は欧州の指導者の理想に学べ
木下 博生
(代)日米平和・文化交流協会理事
1月24日に開催された今回の「日中対話」は、「日中関係とエネルギー・環境問題」に関する「対話」で、大変有意義であったと思います。会議の場で、「東アジア共同体」あるいは「北東アジア共同体」と日中関係について議論がありました。過去の不幸な歴史や戦争を知らない世代が両国の支配層になってきたため却って対立的な国民感情が目覚めやすくなった事実、両国の経済状況の違い、などが共同体の成立を難しくしている現状ですが、本当はそういう困難な背景があるからこそ、共同体構想を進めるべきなのです。
シューマン仏外相が1950年代初めに欧州鉄鋼共同体を、その後欧州経済共同体(EEC)を提唱し、実現させたのは、2度の世界戦争を戦ったフランス、ドイツが仲良くし、2国が中心となって共同体を作るべきだとの高い理想と政治意志があったからです。6ヶ国がメンバーだったEECは、50年を経て、いまや27ヶ国の欧州連合(EU)となりました。
日中の政治リーダーには、これと同じような理想を持って、この構想を進めて欲しいと思います。過去百年の歴史を細かく追ってみるのではなく、千年、二千年にわたる両国の交流の歴史をじっくり振り返る時なのです。エネルギー、環境問題の議論について感想を述べますと、省エネルギー、環境問題について、中国側の出席者には、知識と問題意識はあっても、他国の経験を取り入れ、システマティックにそれを実行していきたいとの意欲があまり見られませんでした。自動車産業を、雇用と経済発展のために、他よりも優先して振興するのだ、という発言があったのには驚きました。
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