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2015-07-08 00:00
(連載1)安保法制の本質的なところについて
緒方林太郎
衆議院議員
先日、平和安全特別委員会で4度目の質疑に立ちました。冒頭、山谷海洋政策担当相に対して、歴史認識について聞きました。今回の安保法制は、これまでよりも海外に自衛隊派遣を行うことになり、場合によっては交戦時の現場、周辺にも出ていきます。そういう中、先の大戦に対してどういう認識を持っているのかというのはとても重要だということで、その辺りの認識が曖昧な山谷大臣に伺いました。
私の考えを述べておきますと、先の大戦は国策を誤った侵略戦争であったと思っています。その反省に立つことは、常に大事なことだと思います。まず、そこはしっかりと押さえたいと思います。その上で日本はきちんと戦後処理をやってきました。したがって、戦争状態や不正常な状態にあった国との関係で現在生じている請求権裁判については、これに応じる必要は無いとの認識です。山谷大臣は「侵略戦争」、「国策を誤った」という言葉について答弁をしたがりませんでしたが、最終的にはそれを認めたということだと理解しました。また、東京裁判については、山谷大臣は以前「受け入れているのは刑の宣告、執行のみであり、裁判全体ではない」という主張をしておられましたが、少なくとも国務大臣としては「受け入れている裁判とは東京裁判全体であり、国と国との関係でそれに異議を唱えることはしない」ということまでは答弁しました。ただ、それは国務大臣としてであり、退任後はまた別のことを言うことを匂わせる答弁でした。
その後、南シナ海情勢について聞いています。中国が様々な人工物を作っている幾つかの環礁については、あれは満潮時には海に沈む低潮高地だと聞いています。低潮高地は、基本的に領海を有しません。上にどんな人工物(滑走路、レーダーサイト)を作ろうともそれは変わりません。なので、代表的なFiery Cross Reef、Subi Reefについては低潮高地であることを確認してください、と岸田外相に問いましたが、答えは「分からない」とのことでした。
今後、南シナ海で警戒監視活動に協力を求められるでしょう。その際、現地情勢として「島なのか、低潮高地なのか」を正確に把握していなければ、今後のありうべき活動に差し支えると思います。最後は「南シナ海に領海に属さない地域はある」、こんな当たり前のことしか答えがありませんでした。中国との関係にそこまで配慮するのか、と若干驚きました。その後、哨戒機P3Cを南シナ海に出すことは念頭にあるのか、という問いもしましたが、これは「具体的な計画は無い」とのことでした。これはさすがにそういう答弁だろうと思います。(つづく)
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