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2015-07-03 00:00
(連載2)集団的自衛権が行使できても米艦防護が違法となる場合がある
桜井 宏之
軍事問題研究会代表
なぜならこれを可能にするとして新設される自衛隊法第95条の2(米軍等の部隊の武器等の防護のための武器の使用)は、「自衛隊法第95条によるものと同様の極めて受動的かつ限定的な必要最小限の「武器の使用」を自衛隊が行うことができる」(昨年の集団的自衛権容認の閣議決定)ことを目的として作られているからです。自衛隊法第95条に基づく武器等防護のための武器の使用は警察権の行使に該当します(「行動法規講義資料2010年」(海自幹部学校第3研究室)26頁)。従って閣議決定が「自衛隊法第95条によるものと同様」と言っていることからも、この米軍等武器等防護武器使用も警察権の行使に該当することになります。
この条項に基づいて自衛艦が米艦を守るため他国軍艦あるいは軍用機に反撃した場合、国際法違反となります(ただし相手が非国家主体であれば問題なし)。なぜなら国際法上、軍隊は主権免除の対象になるため、他国の警察権が及ばないからです。
この点については第2次安保法制懇報告書も、「本来は集団的自衛権の行使の対象となるべき事例について、個別的自衛権や警察権を我が国独自の考え方で『拡張』して説明することは、国際法違反のおそれがある」(23頁)と釘を刺していたにも関わらず、なぜこのような法整備になったのか不思議です。
今回政府が提出した安保関連法案は、合憲か違憲かで観点で議論されるばかりで、国際法上の問題点が見落とされています。憲法違反は国内問題で済みますが、国際法違反は国際問題に発展します。国際法上合法か否かについてもチェックしないと将来に禍根を残すことになるでしょう。(おわり)
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