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2007-01-23 00:00
重層的な地域協力戦略を
小笠原高雪
山梨学院大学教授
1月22日付の村上正泰主任研究員のコメントに感謝する。「中国経済のリスク要因を冷静に認識しておく必要があろう」という表現で、私の議論を大筋で支持してくださったことは心強い。また、その上で村上研究員が提起された、「理念的な次元で基本原則を共有するとしても、具体的な制度のあり方は多様であるという点にも留意が必要であろう」との御指摘は、私ももとより同感である。紙幅の都合もあって言葉足らずであったと思うが、「共通点の多い国々」という私の言い方自体、相対主義的な考え方にもとづいている。
ところで、1月22日付の『産経新聞』論説欄で、同紙の岩崎慶市論説副委員長は、共同体は「地域の同質化が進んだ段階で可能になるわけで、それは遠い将来だろう。だが、今でも共同体交渉が可能な地域があるのに、日本が具体化へ動かないのは残念というしかない」と述べた上で、その地域とは「日、韓、台湾の北東アジアである」と指摘している。政治外交的には困難な面もあるだろうし、利害得失は総合的に考えるべきであろうが、一個の傾聴すべき見解であると思う。
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