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2007-01-24 00:00
東アジア地域協力強化にはわが国のソフトパワーを活用せよ
上田 勇
衆議院議員
今月15日、フィリピンのセブで第2回東アジア・サミット(EAS)、ASEAN+3などの会合が開催されました。こうした会合が継続的に開催されることは、東アジア地域の政治・経済の連携強化を進めるものであり、中長期的な共同体形成への前向きな取り組みとして評価できます。東アジア地域においては、域内各国の政治・経済システム、発展段階、民族・文化・歴史等が多様であるために、急速に共同体的な枠組みをつくっていくことは現実的ではありません。共通の問題や関心について域内の協力を深め、実績を重ねることを通じて、漸進的に環境を醸成していくとの政府方針は基本的には妥当なものと考えます。
安倍総理の発言から、わが国が東アジア地域の共通問題に積極的に関与し、貢献していく姿勢は理解されたのではないでしょうか。また、北朝鮮問題についてのわが国のスタンスとそれに対する域内諸国の理解も再確認できたと思います。したがって、今回のEAS等を通じて大きな外交成果があったと評価しています。 安倍総理が、日中関係の改善に積極的に努めていることもASEAN諸国から歓迎されています。東アジア地域においては、日本と中国の政治・経済でのプレゼンスは極めて大きく、両国関係の安定が地域の平和と繁栄にとって必要です。
日本と中国が東アジア地域における主導権を競っているとの見方もありますが、日中関係の安定と均衡が最も望ましい姿だと考えます。わが国には、先端的な科学技術、法律・会計の体系やノウハウ、環境と共存する開発技術など現在の中国では必ずしも十分に対応できないソフト・パワーがあります。わが国が得意とする分野で積極的な役割を果たしていくことが、地域の発展にとって最も有効なことだと考えます。わが国と東アジア地域との関係を強化していくためには、貿易や投資の促進、経済・技術協力や人材受入の拡大など域内諸国の利益に応えていくことが必要です。現在交渉が進められている、域内諸国とのFTA/EPAの積極的な展開が必要だと考えます。
他方、東アジア地域との長期的な信頼と友好関係を築いていくためには、目先の利害関係だけにとらわれず、基本的な価値観や外交姿勢について理解してもらうことも重要です。安倍総理が、民主主義、市場経済主義、平和主義、人権尊重といった、わが国が重視する基本的な価値観を強調していることは、長期的な視点からきわめて有益だと考えます。
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