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2015-06-08 00:00
シップ・リサイクル条約と安保法制
緒方林太郎
衆議院議員
先月、外務委員会で質問しました。条約審議ではありませんでしたので、この機会に課題として抱えていた話を外相等に質問しました。自画自賛なのでしょうが、とても有意義だったと思います。冒頭5分くらい、外務省が国会対応が悪いということを指摘しています。外務省の中に居て、その後政治の世界に入ってきた者として、とてもよく事情が分かるのです。国会側では外務省の国会対応が悪いというのは定説になっており、出身者として残念な気持ちを持っています。実はこれまでも2度、「国会対応しっかりやるべし」という質問通告をしておりました。通告はしたのは警告を鳴らしたわけでして、それで改善してくれるだろう、平場で言うのはあまり好きではないので、通告レベルでメッセージを理解してくれよ、と思っていましたが、さすがに何とかの顔も三度までということで、平場で言わせてもらいました。
その後、10分くらいシップ・リサイクル条約について質問しました。技術性の高い条約です。船舶解体は現在インド、パキスタン、バングラデシュ、中国で大半が行われているのですが、非常に劣悪な環境で行われているところがあります(特にパキスタン、バングラデシュ)。そのため、日本が主導する形で、一定の労働基準、環境基準を満たしたヤード等でしか船舶解体が出来ないようなルール作りをする条約を作りました。これがシップ・リサイクル条約です。この条約、造船産業(+鉄鋼、非鉄金属産業)で働く皆様で構成される労働組合である基幹労連が非常に頑張っている分野でして、正に自分達が作った船舶が世界で労働災害や環境被害を引き起こしてはならないという真摯な思いがあります。基幹労連は、労働組合の国際団体でも本条約の早期締結を訴えかけています。
答弁で外務大臣、政務官から重要性を認めてもらいました。また、早急に成立を図りたいという答弁もありました。外務省がゴーサインを出さないと、国土交通省も動きにくいわけでして、これで国土交通省と外務省で頑張って進めてくれるでしょう。後半15分は安保法制でした。お役所出身的なアプローチなのですが、これまでの国会答弁で注目すべきものを読み上げて、それで良いかということを聞くだけです。いわば「おさらい」です。
これからの安保法制審議に向けて、こういう所を押さえておくことがとても大事なのです。与野党を問わず、外務委員会の議員にはとても好評でした。複数の議員から「もっと長くやってほしかった」、「良い勉強になった」とお褒めを頂きました。安保法制にご関心の方にはお勧めします。ただ、答弁が非常に下がったものになっているものが多いのは残念です。
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