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2015-06-04 00:00
三大「反安倍爺さん」が踏ん張り過ぎ
杉浦 正章
政治評論家
かつて尊敬していた卒寿の後藤田正晴を「反戦で張りのある声生身魂(いきみたま)」と俳句に詠んだ。朝日俳壇に投稿すると、金子兜太が1席をくれた。生身魂は敬うべき年長者を意味し、旧盆には故人の霊ばかりではなく、生身魂にも食物を供えてもてなした。後藤田の「反戦」は実体験に基づいた反戦であり、そこいらの全学連崩れの「反戦」とは根本的に異なる。敬う気にはならないが、いま政界で生身魂を挙げるなら、さしずめ野中広務(89)だろう。TBSの時事放談でお目にかかるが、最近では手が震え、言葉が15秒も出ないことがしょっちゅうだ。それでも司会が「安倍」の名前を出しただけで、自動的に元気が出て、口を極めて批判を展開する。どうやらこの生身魂「安倍憎しの反射神経」だけで生きているようだ。言葉に詰まるのも、聞いている方は何を言うかと思って10秒待つのが楽しみだ。最近ではいささか支離滅裂気味なのも面白い。「1972年の国交正常化の時の条件を確認しなかったら、南シナ海の緊張は治まらない」とはどんな意味かと思ったら、東シナ海の間違いだった。安倍批判だけが先鋭化して、かつての切れ味はない。後藤田と決定的に違うのは、反戦ならば共産党とも手を組むという姿だ。「しんぶん赤旗」に登場するのだ。過去に野中広務、加藤紘一、古賀誠、山崎拓が登場しており、安倍自民党批判を展開している。今度は民主党顧問・藤井が、5月17日付の「しんぶん赤旗」に登場、「安倍内閣の暴走」に食いついている。いくらまともなマスコミが登場させないからといって、赤旗までに媚びを売るのはあきれ果てて物が言えない。
時事放談はいまや野中、古賀(74)、藤井(82)らノーバッジの三大「反安倍爺さん」の巣窟(そうくつ)と化している。平成の3馬鹿大将とは言わないが、全然敬う気にはなれない三大生身魂だ。御馳走など供えたくもない。藤井に至っては、その主張が共産党そっくりで、理路整然と間違うのが問題だ。これが自民党出身者かと思うと、あいた口がふさがらない。「なぜ集団的自衛権の行使を容認するかというと、世界の警察官アメリカの肩代わりだ」と宣うた。さすがに温厚な対談相手の自民党副総裁・高村正彦が「それは全く違う。我が国の防衛をまるまるやる警察官だ」と諫めたが、要するに爺さんたちは全然安保法制など知らないし、勉強などしていないのだ。勉強していないから視聴者の耳に通り易いレッテル張りで済まそうとして、かつての社会党と同じ発言でごまかしている。TBSはそれを知りながら「反安倍路線」を維持するために使うのだろう。「年寄りの強情と昼過ぎの雨はたやすくはやまぬ」というから、当分やみそうもない。
政局絡みの動きを見せる「生臭生身魂」もいる。古賀だ。古賀は政局だと血が騒ぐと見えて、何が何でも無投票再選などさせないとばかりに、安倍が憲法解釈をめぐり「最高責任者は私だ」と発言したことについて「愚かな坊ちゃん的な考え方だ」と反安倍ののろしを上げた。この「愚かな坊ちゃん」論は、1月から言い始めており岸田派関係者に「愚かな坊ちゃんを調子に乗せてはいけない」と漏らしている。なんとか対立候補を擁立したい一心で、かねてから眼をかけている前自民党総務会長・野田聖子をけしかけた。20人の推薦人を確保することを条件に立候補を勧めたのだ。野田はこれに一時は乗った。1月の講演で「20人の国会議員に出て欲しいと言われるような議員になりたい」と、前向き姿勢を見せた。3月8日の党大会の際にも出馬について「危機的な状況にある日本を支えようとする人であれば、誰でも思う」と前向きな姿勢を示した。しかし周りを見渡せば、とうとうとした流れは「安倍長期政権」へと動いている。どう見ても勝ち目はないし、推薦人は古賀が集めても、反安倍のうねりができるかと言えばとても無理だ。
最近では野田は急速にトーンダウンだ。「私が決意をした時は相当の覚悟の時だ。思い付きで言うことはない」と述べ、慎重に転じた。安倍との不仲説についても「みんなが言うほど仲が悪いわけではない。むしろ真に首相を支えているのは私ではないか、との声も上がるほどだ」と否定。どこからそんな声があがっているのかは別として、逃げ足は速いが、まだ未練げではある。こうして古賀の“仕掛け”はあえなく挫折したのである。古賀は性懲りもなく何も知らない1、2年生のチーチーパッパをけしかけているようだが、しょせんは犬の遠吠え。ノーバッジで、政局への干渉が度を超してはいけない。古代ギリシャの哲学者ピクロスは「干渉好きの老人ほど見苦しいものは無い」との格言を残している。もっとざっくばらんに戒めると「年寄りと釘頭は引っ込むがよし」だ。
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