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2015-06-02 00:00
(連載1)南シナ海―無力感にとらわれるな
津守 滋
東洋英和女学院大学名誉教授
このところ南シナ海をめぐり、緊張が著しく高まっている。言うまでもなく原因は、中国の傍若無人の埋め立てである。5月末にシンガポールで開かれた「シャングリラ・ダイアローグ」で、中国の副総参謀長は、岩礁埋め立てについて「中国の主権内の問題」とし、その目的を「軍事防衛の必要を満たすため」と公言した。抗議・反対の大合唱に対する答えである。しゃにむに一方的行為を推し進めようとする中国の態度に、恐ろしさを感じるし、会場には無力感が漂ったという。
アメリカは5月17日ケリー国務長官が習近平主席に対し、「南シナ海での中国の行動で生まれる緊張は、米中関係にも影響を与える」と警告。次いで21日には米国防総省のウォーレン報道部長は、埋め立て地より12海里以内に米国の艦船、飛行機を派遣すると言明した。また「シャングリラ・ダイアローグ」でカーター国防長官は、より直截的表現で、中国を批判した。
にもかかわらずこの超大国や世界の批判に一顧だにくれず、自国の政策を推し進めようとする今回の対応は、正面衝突も辞さないとの意思表示と受け止められる。これは危険である。アメリカとしても艦船や飛行機を「派遣する」と言明した以上、振り上げたこぶしを簡単にはひっこめられまい。
国際法上大洋の真ん中に埋め立てによって人工島を造っても、その国の領土にはならない(関空は埋め立て地であるが、内水内なので日本の領土の一部になる)。したがって中国の埋め立て地の12海里内は公海なので、どこの国の船や飛行機が侵入しようと、まったく問題はない。アメリカが12海里内に船や飛行機を実際に入れる前に、衝突回避のため緊急に対処策を講じる必要がある。(つづく)
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