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2015-05-27 00:00
(連載2)上海株はバブル同然
田村 秀男
ジャーナリスト
中国の場合、利下げのプロセスで、人民元の対ドル・レートを小刻みに切り上げる操作を3月下旬から続けている。人民銀行が自身の設定するレートで外貨を全面的に買い上げる「管理変動相場制」をとっているからこそ可能な操作なのだが、元高は中国企業の国際競争力を削ぎ、景気を冷やす。北京は一方で暖め、他方で冷水をかけるという矛盾に満ちた政策をとっている。
市場原理に逆らった変則的な政策をとるのは、昨年後半以来、加速している資本逃避を食い止める必要に迫られているからだ。中国の外貨準備は資金流出のあおりで、昨年6月末をピークに減り続け、ピーク時に比べ昨年12月末で1,500億ドル減、今年3月末に2,630億ドル減となった。昨年、国際金融市場からの銀行借り入れや債券発行で合計年間3,000億ドル前後のペースで外貨を調達したが、それでも外準が大幅に減っている。
元高誘導にも限界があり、余剰資金を国内につなぎ止め、海外に流出した資金を還流させる方法は、もはや株式市場しかない。
だが、過剰生産、過剰設備の重圧で上場企業の多くの収益は悪化しており、株価とは真逆の基調にある。まさにバブルである。グローバル化の結果、主要な世界の株式市場が共振する。上海株式市場は2007年5月に急落し、たちまちのうちに東京、ロンドン、ニューヨーク市場など世界を巻き込んだ記憶がよみがえる。(おわり)
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